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ビクター/ビクトリアのHKのレビュー・感想・評価

ビクター/ビクトリア(1982年製作の映画)
3.3
ブレーク・エドワーズ監督作。
ひさしぶりに監督の奥様でもあるジュリー・アンドリュースとご対面。
当時47歳ですがまだまだキレイ。歌声もバッチリ。
ミュージカルとは言え、歌手役のアンドリュースが歌うのは舞台の上だけで通行人が踊り出すタイプの作品ではありません。

30年代のパリが舞台。実力はありながら売れない女性歌手(アンドリュース)が苦肉の策でゲイの男性歌手になりすまして人気者になるというコメディ。
男が女になりすます『トッツィー』や『ミセス・ダウト』よりも先ですが、ひねりすぎなのか、この2作のようにストレートな面白さは伝わってきませんでした。
まあゆるいコメディだし比較するようなタイプの映画でもないんですが。
ピンクパンサー・シリーズのようなギャグもチラホラ。

主人公に惚れてしまうジェームズ・ガーナーは当時54歳でシブオジ真っ只中。
観る前はガーナーもひょっとしてゲイの役かと思いましたが違いました。
かわりに主人公を助けるオカマのオッサンを堂々と演じるのは西部劇俳優でもあり、歌って踊れるミュージカル俳優でもあるロバート・プレストン。
この人、『ジュニア・ボナー』のS・マックイーンのシブい父親役とはまるで別人ですね。

アンドリュースの男装はピカピカの宝塚スター状態で全然男には見えないのはご愛敬としても、コメディとして振り切っておらずギャグも展開も中途半端なのは残念。
でもまあ目くじら立てずに軽い気持ちでベテランたちのゆるいショーを眺める感覚でいいのでは。

音楽はエドワーズ監督とはいつもコンビのヘンリー・マンシーニ。
本作ではアカデミー編曲・歌曲賞を受賞しています。
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