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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONEのbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
ミッション・インポッシブルシリーズ第7作PART ONE

プロデューサーのトム・クルーズが、自殺と紙一重の超絶アクションスタントをする姿を堪能する、不思議なシリーズ最新作(2023年7月現在)。
撮影中の事散死なんて望んでないから、ホントにそろそろ手を引いてほしいんですよね。ファンの期待に応えなきゃ!って感じで頑張ってますけど、そこまでしてくれなくていいよ.....。

子どもの頃に何度も見た第1作『ミッション・インポッシブル』。
改めて思い返すと、ブライアン・デ・パルマが監督、出演トム・クルーズの他にも、ジョン・ヴォイド、エマニュアル・べアール、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ジャン・レノ……と、国際色豊かなスター揃い踏み。実に豪華な映画でしたね。

今となっては、“最後の映画スター“トム・クルーズの代名詞となった一大シリーズですが、不思議なことに、新作になればなるほど、話の中身が記憶に残りません。
「アクションシーン最優先でストーリーは後付け」という作り方でも有名なので、ぶっちゃけ話なんてあってないようなものかもしれませんが、話が記憶に残らないと何でも忘れてしまう残念なおつむの私では、スーパースタントなアクションシーンのことも忘却の彼方に去ってしまいます。
話が頭に残らない影響で、ルーサーとベンジー以外の準レギュラーキャラクターも見る度に忘れてしまうので、「え?こいつ誰?前も出てた??あつ、そうなの、フーン……」と呆けてばかり。
前作に至っては、実質前々作の続編みたいな代物でしたので、まー話が頭に残らない入らない。へンリー・カヴィルが登場してアレコレやったくらいの認識です。
本作鑑賞にあたっては、元英国諜報部員イルサのことを、綺麗に忘れておりました(キトリッジやホワイト・ウィドウさんのことも忘れてました)。

前置きが長くなりましたが、こんな体たらくでは、今回もまたすぐ忘れちゃうのかなぁなんて思ってました。実際、ストーリーは相変わらず割とガバで、なんじゃそりゃ?な引っ掛かりもありましたし、ヴィランインフレも極まって「大丈夫かコレ」なんて思いましたが、意外なほどに楽しめたこともあって。ちゃんと記憶に残っています。
理由としては、各シークエンスのアクションが特つ異なる性質(おにごっこ、かくれんぼ、追いかけっこ、脱出ゲーム等)がバランス良く配置され、アクション自体に落とし込んだコミカルな部分と、物語の展開が生み出すシニカルな部とイイ感じにマッチし、ブースターロケットになっていたおかげでしょう。
特に、イタリアの街を黄色のフィアットで逃げ回るシークエンスは、アクションスターの始祖たるバスター・キートン的であり、その流派を継承したジャン=ポール・ベルモンド的であり、彼らの影響下にある『ルパン三世』的でもありました。
正直、『ミニミニ大作戦』も斯くやという感じで激しく展開する、フィアットと馬鹿デカ装甲車のチキチキマシン猛レースぶりは、最近見たカーチェイスの中ではかなりお気に入り。やっぱり車が乗りもの以上の存在、感情表現のツールとなっているカーチェイスって、抜群に最高ですね。


とりあえず、やっぱり『M:I』シリーズはアクションが売り物であると再認識しつつ、十分楽しませていただきました。
お約束のトム走りや超金のかかったアクションシーンの数々、CGを使わない数々の超絶実写シーンにも、いつも通り度肝を抜かれました。ただ、やっぱりストーリーは「う〜ん」って感じでしたので、なるはやPART2を公開していただきたいですね。でないと、また話を忘れちゃうので笑。

「いつも同じパターンだな」
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