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『東京都』に投稿された感想・評価

菩薩
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東京が地方の寄せ集めで無いとしたらむしろなんなのか…地方の寄せ集めが東京って皮を被って開き直っているだけではないのか…。異常都市東京は今日も変わらぬ状況。
「水俣」シリーズで知られる土本典昭監督の最初期監督作(当時33歳)。NET(現テレビ朝日)のテレビ番組「日本発見」の一本として制作されたが、スポンサーから内容に偏りがあるとクレームがついて放送されず幻となった一本。製作は岩波映画。

1962年、東京には地方から大量の若者が流入し、戦後350万人だった人口はいま1000万人に達した。この「満員都市」東京の最も典型的な場は新宿。朝は強烈な通勤ラッシュ。西口は副都心計画により東京のマンハッタンを目指す。文化服装学院の新宿本校に通う学生は“街がファッションの学校”と語る。一方、三平食堂のウエイトレスたち。「勤務は午前11時から夜10時半。帰ったらお風呂に入って寝るだけ。楽しむ時間は全然ない」。ジャズクラブで深夜まで騒ぐ若者たち。翌朝の上野駅では今日も続々と地方からの就職組が汽車を降りる。。。

“東京都”という題名だが、メインテーマは地方から新宿に上京してきた若者世代のルポルタージュという印象。途中に皇居や霞が関、銀座のネオン、有楽町・日本劇場の歌謡ショー(ジェリー藤尾、坂本九)などが東京の華やかな記号として挿入されるものの本筋ではない。論調は始終シニカルで悲観性を滲ませている。

「アメーバのように何もかも飲み込んで生きていく東京。それは政治経済の中心地ということばかりではなく、何はともあれ東京に行けば生活の道が開けるという魅力と、その社会的背景が厳然とある以上、東京は今後も膨張し続けていくことでしょう。」

モダンジャズの劇伴の中、上京してきた若者が都会の雑踏に紛れ込んでいくラストカットは、若松孝二監督の「天使の恍惚」(1972)と呼応している。

風景マニアでサブカル史好きの自分としては、東京五輪前の新宿のカルチャーが豊富に切り取られていて楽しかった。新宿高層ビル群の地にあった広大な淀橋浄水場、新宿西口開発により1969年に退去した名門女子高校・精華学園(吉永小百合や星由里子が在籍)でのロケ映像はかなり貴重だと思う。

スポンサー(富士製鉄)が本作にダメ出ししたのも無理はない。「日本発見」シリーズは各都道府県の「発展と成長」を紹介するもので肯定的な語り口が期待されていた。皮肉っぽくネガティブな論調の本作は、映像作品としては面白かったが番組としてはキャンセルされた。即ち、土本監督は最初期からプロ失格とされたが、表現者の意志は貫いたと言える。

※「日本発見」シリーズ、土本監督の演出回
1961年「三重県」「佐賀県」「大分県」「鹿児島県」「山梨県」
1962年「東京都」
うち「山梨県」と「東京都」がお蔵入りになった。
「山梨県」は、ラストに富士山の麓で起こっていた米軍演習場反対運動を描いた事が問題視されため。

■東京都(1962年製作)29分
監督:各務洋一

土本監督の「東京都」がお蔵入りになったため、代わりに岩波映画の各務洋一監督が半分以上を追加撮影し全部作り直して放送されたバージョン。

はと観光バスが皇居、霞が関、永田町などを巡る。1962年、オリンピック開催を控え大開発中の東京には地方から大量の若者が流入している。経済も学校も東京に集中し人口は1000万人に達した。この巨大都市で社会問題となっているのが交通。道路は渋滞し、鉄道網は郊外から山手線へ集中し過酷な通勤ラッシュが起こっている。解消案として東京湾埋立による土地の確保が検討される一方、着々と新宿副都心構想が進められている。避けられぬ“集中”を活かした街づくりが期待される。。。

高度経済成長真っ只中の東京が加速度的に一極集中化している状況を、人口流入や在京学校の全国比率を提示しつつ、リアルタイムの都市風景と共に考察していた。交通も住宅も、どこもかしこも満員状態の東京。その問題点が、街の歴史や地理的条件を踏まえつつ解りやすくまとめられていて面白く観ることが出来た。

土本監督の未放送バージョンと比べたら、プロフェッショナルな仕事なのは明らかに本作。3割ほどは同じ映像素材なので、構成によって大きく内容が変わるのが比較鑑賞の面白さ。もしも自分が演出担当になったら本作と同様の方針を目指したと思う。ただしスポンサーを付けずに番組コンテストが目的のオーダーであれば、土本監督のようにピンポイントで攻める。両刀使いが性に合わなければフリーの道を考えることになるのだろう。

※各務洋一監督は、佐藤真監督が「阿賀に生きる」(1992)の撮影に入る前に私淑していた人物。
「東京駅、上野駅を外向きの玄関口とみるなら、ここ(新宿)は東京の廊下と言えるでしょう」

この淀みない語り!傑作!

「満員都市・東京。人口過剰のエネルギーが古い街を壊し、明日の街を作りはじめる」

「東京、それは・・・」といくら説明を費やしてもどれも空々しい、、、これが東京。
すべてがあって、何もない東京。
かわいそうな東京。

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