2020年・第14回田辺・弁慶映画祭コンペティション部門で観客賞を受賞した本作は、現代社会で仕事に家庭で頑張る女性ならではの、生き辛さを抱える2人の女性の葛藤と希望を浮き彫りにして描いていて共感を覚えてしまう。
仕事に熱中する日々を送る綾は、結婚して3年になる夫から、そろそろ子どもが欲しいと言われ辟易としてしまう。
彼女には、妊娠・出産に勇気が持てない或る理由がある。
一方、2人の子どもを育てる沙織は、本当にやりたい仕事を諦めて事務職で働いている。
或る秋、綾は「家族留学」という家族体験プログラムのイベント運営を任されて沙織の家族と出会う。
ここから主婦と仕事の両立に苦労しながら立ち向かう2人の女性の交流のドラマが展開していく。
働く女性の悩みや葛藤をリアルに描く本作だが、女性だけでなく、パートナーである男性や、女性を部下に持つ管理職の男性こそが観た方が良いと思う。
何気ない一言や、女性任せにしていることが如何に彼女らを傷付けていることが、本作を観るとよく分かる。
女性活躍推進法が2022年4月から中堅・中小企業へ対象拡大されたが、真の意味で彼女らの生活に寄り添うものであって欲しいと思う。

(新作観まくってるはいいがどんどん抜けてくので急いでレビュー…)
これは何故か！？最寄りが数少ない上映館だったのに観そびれて、気になっていた作品。同じ亀山睦実監督の「12ヶ月のカイ」をゆうばり映画祭(オンライン上映)で観て、結構良かったので観てみました。

が。

あまり好みでは無かった…

まず個人的に「女性の社会進出」みたいなのを大手を振って？声を大にして？いう作品が、あまり得意ではないというのがあります。
(ちなみに私は女性です)
なんかわかるんだけど…わかるんだけど、ね。。

この作品で一番気になったのは、専業主婦みたいな人があまりいい風に描かれていなかったこと。
(意図的かなとは思いますが…)
きっとクリエイターの方々はバリキャリの部類だと思うので、無意識に差別感が出ているのだとしたら、怖い。

私はどちらの立場も経験しているので、そこが妙に気になった。

あと、男性が微妙だった(笑)
ステレオタイプすぎる…ていうよりむしろ、もうそれはステレオタイプではないのでは。(古い)
デフォルメされすぎ、というか。

主人公の気持ちが途中までは「凄く分かるな…！」と思ったんですが(私はあまり子どもが好きではありません(自身に子どもは居ますが、一般的な子ども、という意味です)。なので、そういう人の気持ちが表現されている気がして、凄くいいなと思ったんですが)、裏があったのでちょっと拍子抜けだった。。

逆にそういう人をそのままどストレートに描いたほうが、響いたと思う。

(ネットでもたまにそういう声を見かけます。子どもが好きじゃない人、子どもに時間を使うくらいなら、今のままの生活のほうがいい人。私は非常にわかるので、安易に結婚したほうがいいとか子どもを持った方がいいとか、全く思わない)

そういう声をもっと取り上げるべきだと思う。
何故、そうなのか、ということを。

自分で選択したい。色んな人生があって良いし、選択があっていい。ずーっと自分の中でもやっとしていたことに触れて、解けたような感じがした。ほっとした。