Bellen

オフィシャル・シークレットのBellenのレビュー・感想・評価

3.3
●イラク戦争に突入する直前に、諜報機関(GCHQ)で働く女性(Katharine Gun)が、戦争の違法性の認識に基づく正義感から国家機密(アメリカが不当に国連の合意を操作)をリークした話。
●検察はあの手この手(特にムスリムの夫を国外追放しかけたところは酷い)で嫌がらせをしてくるが、弁護士と必死に耐えて、裁判に向かっていく。
●まず、一個人の人生をリスクに賭けても大義(戦争中止)を追求した勇敢さ・実直さが印象に残るのと、裁判の過程で、目の前の刑の軽減ではなく、戦争そのものの違法性を正面から問うことで、完全無罪を狙う戦略に切り替えた点が爽快。
●裁判は予想外の結果で終了。
●感想としては、国家機密を漏洩する罪の重さを登場人物皆が当然に理解していること(日本では考えられない。諜報機関の重要性が認識されていない?)に驚いたのと、政府・権力(悪)VS誠実な個人という構造がどこまで確からしいか、は検討が必要ということ。
●例えば、前述の裁判の戦略として、戦争自体の違法性を議論する中で、大量破壊兵器が無かったことを論拠にしかけていたが、結果と過程は別な可能性も。例えば、50%の確率で大量破壊兵器があると本気で認識(ここはブラックボックスだが)していたとした際、自国民の安全を守るための行動が違法と言い切れるのかどうか。