このレビューはネタバレを含みます
これは着地のしかたが好み。厄介ごとがうまく片付いてハッピーエンドです、っていうことじゃなく、他人から見て妥当かどうかはさておき、主人公が本当に幸せを感じられる結末で、迷わず拍手できる。思ったより、人の体温みたいなものを感じられる映画だった。
それにしても、主演も二番手もみんな中村倫也って、ファンにはたまらない企画だろうな。主演でもこんなに出ずっぱりの映画ってそうないもんね。タバコを吸ったり楽器を演奏したり植物に水をやったり卓球したり、いろんな姿が見られるし。
クラシック音楽が多用されていたり、画面がちょっと青みがかっていたり、そういうことで醸し出される空気感もわりと心地よかった。
完全に余談だけど、『水曜日が消えた』っていうタイトルをずっと目にしてきたから、水曜日くんをもうちょっと見られるのかと思ったら、そうでもなかった(笑)。水曜日は多くの映画館で割引の日だし、定時退勤にしている会社も多いので、人に優しくおっとりしたイメージがあるかも。火曜日はわが家の場合、生協の注文品が届く日なので、料理が得意なしっかり者っていう感じ。
こんなふうに、誰しも曜日にはイメージを持ちやすいと思うので、曜日を擬人化するって、監督つくづくナイスアイデア。オリジナルの面白い日本映画が生まれてくれて、なんだか勝手にほっとする気持ちになった。