三郎丸

聖なる犯罪者の三郎丸のレビュー・感想・評価

聖なる犯罪者(2019年製作の映画)
4.9
【タダ見、その②】
オススメ!

お話は、
少年院の製材所で黙々と作業する、少年たち。
監視の目が無くなると途端に少年の中でイジめが始まるような環境で、主人公もガタイの良いジャイアンティックなヤツに目をつけられてます【ポイント】。
トマシュ神父がやって来て、祈りの場で高らかに聖歌を歌う20歳の主人公ダニエル。彼は、少年院で出会った神父の影響で、熱心なキリスト教徒となる。
前科者は絶対聖職者になれないが、神父になる事を夢見る…
主人公は仮釈放時に神父の服(学ラン様のヤツ)を盗んでおり、ワルモノ御用達の田舎の製材所で働こうと小さな町にやって来て、フラリ立ち寄った教会で、新任の司祭だと身分を偽る。
高齢の司祭を紹介され、勘違いをされたまま司祭の代わりを命じられた主人公は司祭らしからぬ主人公に、村人たちは当初戸惑うが、徐々に信頼を得ていく…

この主人公は、
・元人殺し
・パーティーしてのコカインが大好物
はい!モロのモロにワルモノです。
そんな彼が、
身分を偽りながらも、許しを請う人々を癒し、救う。

舞台の村では約1年前、車同士の衝突事故で計7人の命を奪った事故が…
被害者遺族たちは、その深い悲しみからいまだに癒えずに苦しんでいる。
主人公は、そんな心に傷を負った村人たちを癒そうと立ち回る。
狭い村がゆえに、被害者同士に都合の良いように話は捻じ曲げられ、真相が分からない…
真実を追求することなく、一方的に加害者を作り、攻撃する事で、歪んだ正義と失った命の痛みを共有する被害者の胸くそ悪い一体感。
そこに現れた主人公がいなければ、この状態は未来永劫変わらなかったはず。

主人公が難問に立ち向かう姿は、
【資格がないだけの聖職者】
であり、神父の制服が説得力を持つのではない、人間がどういうヤツか?
てのは重要ではなくて、身近な問題を解決しよう、現状を変えたいと願う気持ちが言葉や行動となり、人の気持ちを動かす!
…だが、そんな主人公の元に少年院にいた男が来て、全てを暴くと脅す。
果たして主人公はどうなってしまうのか?

善と悪の境目が狂い、聖人と悪人の違いは何かを観賞者に鋭く問いかけます。
真の更生とは何?
人間を本当に変えられるのはなによ?

作中の本物神父は言います
「自分も過ちを犯す」
と…
ホント色々と考えさせられました!

減点ポイント!
私、スケベニンゲンではありますが、映画のエッチシーンは本当にどうでもいい…
三郎丸

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