あすとろ

カラー・アウト・オブ・スペース 遭遇のあすとろのレビュー・感想・評価

4.0
その“色”は果てしなく燃え続ける、地獄の向こう側まで…

大都会の喧騒から離れ、自然豊かで物静かな田舎に移り住んできたガードナ一家、幸せな生活は一つの小さな隕石が庭に墜落したことにより悪夢へと一変する。
見えない“モノ”が見え、聞こえない“モノ”が聞こえ、見たことない“モノ”が生まれそんな地獄対し次第に一家も得体の知れない“モノ”に蝕まれてゆく…というストーリー

『マッド・ダディ 』『マンディ』と続くニコラス・ケイジ最狂三部作、ついに揃いました!(勝手に)
オールタイムベストに入るマンディ 地獄のロードウォーリアーを超える狂演!と謳っていて「本当かぁ…?」と思っていたらしっかりマンディ越えの狂気の演技で最狂でした…
割と家族が狂っていく過程が『ヘレディタリー/継承』と似ていたような気もしましたが、最初はほんの少しの歪みから始まった狂いが宇宙から来た“色”のせいで増幅し、全てが最悪な方面へと向かっていく展開は面白かったです。
狂気な展開の割にはそこまで濃い味ではなく比較的あっさり観れます。
所々「なんでそうなる?」的な登場人物の言動はありましたが割と「狂ってしまったから」で片付けられるくらいの感じなのでそこまで構えずに観れる作品です(原作もそこまで深く描いてないらしいし)

ニューヨークタイムズも「これはジョン・カーペンターの『遊星からの物体X』か!」と言っていたように個人的に本作は現代版にアップデート、再解釈された遊星からの物体Xだと感じて、宇宙から来た得体の知れない何かに蝕まれてゆく流れがどこか80sスリラーを彷彿させる展開とクリーチャーデザイン、でもVFXなどの技術や撮影手法はしっかり現代のエッセンスをミックスしていて楽しめました!
テクノロジーが進歩したこの時代で“あえて”80sの要素を強くした低予算お手製スリラー作品が増えてる中でいい意味でその作品達の良いところを摘んでエッセンスとして取り入れてる感じがしてよかったです。
クライマックスの終わり方も絶妙に後味が悪くてニヤけてしまいました笑

ここ最近のクレイジーなニコラスケイジの演技だったり、『ザ・ヴォイド』『遊星からの物体X』などの異形侵略モノが好きな方はハマると思います!
是非ご覧あれ!劇中の極彩色の点滅は少し目がチカチカするのでご注意しながらお楽しみあれ!
あすとろ

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