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あの群青の向こうへのminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

あの群青の向こうへ(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

未来の自分から一通だけブルーメールという手紙が届く世界が舞台。
地方に住む男子高校生が主人公。ある日、彼の母が交通事故で死亡する。傷心して街を彷徨っていたところ、警官に補導されそうになっている同じ高校の制服を来たヒロインと出会う。ふとしたことからそのまま二人は東京へと向かうことになるだが......という話。

粗も多くて構成が悪さも目立ち、作り手の伝えたいこと先行な感じの青臭い内容なのだが、空気感が心地よく鑑賞後登場人物たちへの愛おしさが残った作品。
思春期の若者の苦悩や未来へ不安を描いていて、偶然出会い共に旅をすることになる男女の距離が少しずつ縮まっていく過程がうまく表現されていた。
序盤では軽いノリの人物な印象を受けていた主人公だが、物語が進むにつれて彼の過去の悲しい出来事が明らかになり、仕事やヒロインに対する真摯な姿勢に好感が持てるようになった。特に途中旅費捻出のために始めた住みこみのバイトのエピソードは楽しく観ていられた。主人公が好んで聴いてるバンドの正体や、ヒロインの境遇などの隠された秘密はユニークだった。主人公とヒロインが互いの絶望的な出来事を乗り越えて再び心を通わせる終わり方も良い。
MV出身の監督のためか音楽が流れる場面の映像と撮り方が抜群に上手く、そして挿入歌と主題歌がとても良い曲だった。

難点は、ブルーメールの設定がほぼ終盤にしか活かさせれていない点とストーリーと構成の弱さかなあ。序盤のつかみも弱い。主人公に影響を与えたのが恋人と母親の死なのだが、両親の存在がほぼ東京行くためのきっかけにしかなっていないのも微妙だった。

携帯電話捨ててる状態で一回東京ではぐれて短時間で再会できるのは難しいだろうと思った(^^)
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