子どものいじめや自殺の背景に隠された虐待や貧困などの問題を映し出した話。
試写会にて。
描こうとしているテーマは分かるし、現代社会に生きる人が考えていかなければいけないことだと思う。
ただ、映画としての完成度が残念ながらそこまでに達していないように感じた。
中身がどうこう以前に作品の予算がないんだろうという厳しい現実の方がひしひしと伝わってきてしまった。
役者の演技も脚本も正直出来の悪い再現ドラマレベル。
悲惨な境遇を全てつなぎ合わせて背負わせましたってな感じの、主人公たちの設定も現実味がなさすぎる。
子役の演技も大袈裟に感じた。
とりあえず叫ぶ、大声を出す、走る、泣く。邦画の悪いところが凝縮されているようだった。
あと一つ一つのシーンが無駄に長い。
特にいじめのシーン。長い割に悲惨さが強調されるわけでもなく、ダラダラと間延びした印象しか持てなかった。
大体、今時のいじめはあんな直接的なものばかりじゃないだろうに。
上映後の正味40分程度のトークショーの方が為になったし、そっちありきの映画になってしまった感じ。
いじめの被害者だけでなく、加害者側に寄り添うことも大切だと思うけど、低予算なりにもっと観客のことも考えて作ってほしかった。