牛猫

プロミシング・ヤング・ウーマンの牛猫のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

輝かしい未来を歩もうとしていた女性が、ある出来事を契機に思わぬ事態に直面する話。

よくある復讐ものかと思いきや、引き付け方と演出が巧みでみるみる引き込まれた。
そして久しぶりに見たキャリーマリガンが圧巻。丸顔でタレ目が特徴的な甘めの顔に、ハスキーがかった声が魅力的な女優さんだと思っていたけど、良い意味で年齢不詳でやさぐれた雰囲気が絶妙。カフェ店員からストリッパーまで風貌を変幻自在に変えながらの熱演は見もの。
場面にあった音楽も映画の雰囲気を盛り立てていた。冒頭の"it's raining men"が皮肉が効いていて良い。

被害者の人生には加害者の名前が付き纏うのに、加害者の人生には被害者の名前がなかったことにされてしまう。この手の事件の理不尽さが集約されたセリフだと思った。

若気の至りってよく使われる言葉だけど、この作品に出てくる彼等は許されるレベルを超えているし、許される年齢も超えている。

あの結末は賛否両論ありそうだけど、キャシーの両親や気立ての良いカフェのオーナー気持ちを思うとモヤモヤする。

しかし、あれくらいの覚悟を持って且つ行動に移さないと世間は変わらないんだろうな。どれだけ証拠が揃ってても総理大臣と親交があったという理由で逮捕に踏み切れなかった山口敬之みたいな事例もあるし。

未来の自分が胸を張って生きていく為にも、加害者になるのは論外だけど、傍観者にならないように生きていきたいと思った。
牛猫

牛猫