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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のbackpackerのレビュー・感想・評価

4.5
信じられない程面白いドキュメンタリー映画でした。

1960年代を席巻した、革命の潮流。
その一幕として、三島由紀夫と東大全共闘が討論会をしていたなんて、全く知りませんでした。
そもそも、安保闘争から浅間山荘事件に至るまでの、戦後日本の動乱期について、学校での歴史教育という意味で全く学んでおらず(現在は教育の現場が変わっているかもしれませんが)、その後独学で見聞きし蓄えた知識程度しか持ち得ないため、知らぬ事の恥ずかしさを禁じえません。


生前の三島由紀夫が語り口の素晴らしさもさるものながら、全共闘学生達の信念・哲学・熱情が凄いですね。
強烈な知と知のぶつかりあいが火花を散らし、熱情の奔流が画面から溢れ、すっかり飲み込まれてしまいました。

もー、感動。
私のような浅学非才の人間では、言葉にできないのが残念。
三島由紀夫の死に様と、世界を変える熱情に突き動かされた学生達。
そらから50年経った今の日本を、三島は、彼らは、どう思っているのでしょうか……。


少なくとも、50年前の若者達が、いかに理知的で弁が立ち真剣に物事を考えていた(少なくとも、この場にはそういう若者が溢れかえっていた)かを目の当たりにし、バカでボンクラで遊んでばかりだった自分を恥じるばかりです。
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