NoAceJustYou

ビバリウムのNoAceJustYouのネタバレレビュー・内容・結末

ビバリウム(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2024/02/04鑑賞。70点。
知名度はあるけど代表作がなかったイマージェン・プーツにとって、恐らく最も印象的な役・作品。
実はこの作品は、プーツが最初に主役に内定した。プーツは恋人役を自分で探し、アイゼンバーグがそのオファーを引き受けた。ちなみに、同年製作の【恐怖のセンセイ】でも2人は共演している。

--考察--
恐らくこれは、エイリアンが人間社会を支配するための試験。
エイリアンは人間の外見を完璧なまでに再現する技術を身に付けたが、慣習や感情といったものは理解がまだできていない。
そのため、中身まで人間に近づけるため、本物の人間と共同生活を送らせることにして【ヨンダー】という仮想世界を作り出した。
最初のマーティンが不気味に感じるのは、彼が感情を理解できてないが故に、ジェマとトムに寄り添えていないから。"不動産屋に来る=家を見に来た"と判断しており、話を大枠でしか捉えられないので、話の"内容"を膨らますこともできない。こういう人現実にもいるよね・・・話しててちょっと変わった人だなと思うだろうけど、それをさらに顕著にしたのが本作のエイリアンたち。

〈あらすじ・ネタバレあり〉
小学校の教師・ジェマ(演. イモージェン・プーツ)は仕事終わりに、恋人・トム(ジェシー・アイゼンバーグ)と一緒に不動産屋へ行く。
マーティンという不動産エージェントが担当してくれることになり、郊外にある【ヨンダー】という分譲住宅地に案内される。

【ヨンダー】の家は全て同じ外観で統一されており、【9番】という家を勧められる。
一通り部屋を内見を終え「他の住人はいつ【ヨンダー】に引っ越してくるの?」と質問したところマーティンは姿を消しており、トムは「もう帰ろう」と言ってジェマと一緒に乗ってきた車に戻る。

しかし、【ヨンダー】から出ようとしても出口が見つからず、必ず【9番の家】に戻ってくる。
携帯は通信圏外のため助けは呼べず、車はガス欠になったので、ジェマとトムは【9番の家】の家で夜を明かす。

次の日、ジェマとトムは一緒に出口を探すが結局見つからず・・・。夜になり、"家を燃やせば誰かが気づいて、助けが来るかも"と思ったトムは【9番の家】に放火。ジェマもトムも疲れ切って外でそのまま眠ってしまう。

翌朝目覚めると、燃えたはずの【9番の家】は元に戻っており、男の赤ちゃんが捨てられていた。「この子を育てれば解放する」とメモが残されており、ジェマとトムは仕方なくこの家で子育てをすることに。

数ヶ月後。
食料など、生きていくのに必要な物資は自分達が気づかない間に家に届けられるシステムになっており、暮らしていくには不自由ない生活だった。
赤ちゃんは驚異的なスピードで肉体的な成長をし、小学校低学年ほどの見た目に。思い通りに行かないと奇声をあげるため、イライラが募る。
トムは、庭の芝生にタバコをポイ捨てし、芝生の色が変わったことに気づく。"地面を掘り続ければ、もしかすると脱出できるのかもしれない"と思い始める。

トムは相変わらず庭堀りに夢中で、"少年"を鬱陶しく思っている。一方でジェマは、"生き残るために親の役割をしていた"はずなのに、いつのまにか母性に目覚めていた。
ジェマとトムの関係には溝ができ、"少年“と一緒にいる時間が増える。
家の中で見覚えのない本を見つけたジェマが読んでみると、"喉を大きく膨らませた人のイラスト"や"テレビに映る謎の文字に似た文章"
を見つける。
ジェマは"少年“と遊んでる時にモノマネごっこをやり、「私たち以外に会ったことある人がいたら真似をしてみて」と要求。
"少年"は喉を大きく膨らませ、彼が人間以外の存在であることを確信する。

さらに数ヶ月後。
"少年"は"青年"に成長していた。
一方トムは肉体的・精神的疲労から息を引き取り、"青年"はトムが掘ってきた穴に遺体を捨てる。
トムを失ったジェマは"青年"を殺すことに決め、ツルハシで彼を襲う。"青年"は奇声を上げながら逃げ、突如現れた"別空間に繋がる穴"に入る。ジェマもその"別空間に繋がる穴"に入り、自分たちと同じような状況に置かれた人々がたくさんいることを知る。
結局最後は、【9番の家】に戻されていた。
ジェマも力尽きて死亡し、"青年"は彼女の死体も穴に捨てる。

1人なった"青年"は、【ヨンダー】から脱出して不動産屋に向かう。
不動産屋ではジェマとトムを案内したマーティンが老衰で死にかけており、"青年"は彼の死体を処理した後、"マーティン"のネームプレートを自分につける。
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