昨年のベルリン映画祭エンカウンターズ部門選出作品。一部でパヴェウ・パヴリコフスキ『Cold War』と二部作とか呼ばれており、確かに本作品の3回に1回くらいキマるショットやシンプルで静謐な物語という点でパヴリコフスキ的な要素を感じないこともない。また、閉鎖的環境に国家権力が介入することで停滞した時間を破壊していく様は、DAUシリーズにも似ている。三つともモノクロだし。物語の舞台は1980年のブラチスラヴァにある神学校である。二人の青年ミハルとユライは共産主義的な荒廃から逃れるため、ローマカトリック系神学校へと入学するが、彼らの理想はすぐに打ち破られる。"パーチェム・イン・テリス"という組織が共産主義政権に協力し、教会内の反政権分子一掃に手を貸していたのだ。二人がそれに気付いてから、一瞬にして彼らの手から物語がこぼれ落ち、one of themとして回収されてしまう展開に、共産主義の人間をなんとも思ってない感じが現れている。