Mayo

ビルド・ア・ガールのMayoのレビュー・感想・評価

ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)
3.7
How to build a girlのタイトル通り、ある冴えない女の子が自分を作り上げていく物語。
成功を掴むと自分らしさを失って調子に乗って…後悔して自分を取り戻すっていうストーリーはもうザ・王道。
でもフェミニズム的要素が盛りだくさんで、その視点が現代的なんだろうな、そこが新鮮でとても楽しめた。

ビーニー・フェルドスタイン、声がとてもかわいい!イギリスの発音でいつもと少し声色を変えていたというのもあるのかな。
お肌がきれいすぎて16歳にちゃんと見えたけど、え、もう28歳か。

ビーニー演じる主人公ジョアンナ・モリガンのお家は、貧乏で狭くて、お兄ちゃんとドア一枚で区切られた小さなお部屋しかないんだけど、その空間に作り上げている世界がとても素敵だった。壁に貼られた色んな憧れの人たちの写真が話しかけてくる、その名も“GOD WALL”が本当好き。「サウンド・オブ・ミュージック」のマリアもいたりして楽しい。
この壁だけでなく、ポスターの中の有名人も話しかけてきたりするというファンタジックな設定なんだけど、これがジョアンナがとても想像力豊かで、更に自分で自分を鼓舞できる子なんだという表現になっていて、とても素敵な設定だった。

フェミニズム要素も多い!
音楽雑誌のライター男性たちの男尊女卑のひどいこと。でもそれがおじさんじゃなくて、わりとカッコ良いイケてる感じの音楽好きメンズたちなもんだから余計にリアルでムカつく。

一方、ジョアンナが憧れる歌手のジョン・カイトが素敵すぎて…ジェントルマンだしちゃんとしてる。ジョンと話す時に、産後うつ中のお母さんの話をしていたのがとても意外で印象的で、だから後半は泣けた。
どうしようもないけどものすごく素敵な家族。
特にお兄ちゃんのクリッシーがとても良かった。

思っていたより柔らかくてスカッとしてキュンとして良い気分になれる映画でした。
フェミニズム要素がキツく感じないのはビーニーの雰囲気や全体の色調のおかげなのかな。
Mayo

Mayo