このレビューはネタバレを含みます
彡 ⌒ ミ
( °👣∀°)「リスペェェクト！！！」
ブルーレイで特典がついていたので鑑賞。
白黒になり画面の情報量が少なくなった分明暗のコントラストが強くなり、監督の意図がより伝わりやすい映像になっていました。
色以外の表現に集中して観れるようになり、ギテクのある場面での表情変化がより克明に現れています。
富裕層の光と貧困層の闇がこれでもかと強調され、通常版よりも冷たく無慈悲な印象。観ててしんどくなる。
反面カラーからモノクロ編集の弊害と言うべきか、鮮やかなカラーによってもたらされた場面のインパクトが半減しているのがあまりに痛い。
この辺りは一長一短と言うべきで、人によって好みが分かれるところ。個人的には通常版の方が好き。
以下ネタバレ↓↓
韓国の経済格差が日本以上だという事実をぼんやり浮かべながら観ると、あまりの救いの無さにどうすりゃいいんだと思わされます。
あれだけ能力が高くてずる賢い一家なのに、定職に就けずに半地下に追いやられる実情が残酷すぎる。
地下シェルターの男も決して悪くない頭脳の持ち主で芸術を嗜む教養も備えているのに、宿主のパク社長を盲目的に”リスペクト”する寄生虫に成り果ててしまう悲しさ。
もはや不安定なチキン屋を開くか今回のような抜け道に出くわすしかなくて詰みに等しい。
正攻法では超絶苛烈な受験戦争を勝ち抜き、もし受かっても企業への就職は困難を極めるサバイバルすぎる社会。
パク社長一家は決して意地悪な訳ではなく、むしろお金をたくさん持っているから心が豊かで優しい存在。しかし無意識に貧困層を見下していて、かといって彼らの境遇に詳しいわけでもなく無関心(というか知る機会がない)だったのが今回の悲劇を生み出した一番の原因なのでは。
彼らの埋めがたい高低差をマシにするには、富裕層の長期的努力か貧困層の国外への出稼ぎ、他に何かあれば教えてほしいです。
しかし結局は恵まれない者同士で争ってしまうのがあまりにも皮肉。
悪人が誰一人いないのにどうしてこうなった。
旦那があんな姿になっても見捨てずに支え続けた家政婦おばさんの愛が切ない。
