サラリーマン岡崎

アナザーラウンドのサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

アナザーラウンド(2020年製作の映画)
4.3
マッツ・ミケルセンがお酒を飲みすぎてパッパラパーでおなじみの本作。
お酒は毎日飲んでいる岡崎です(夜ご飯の時、発泡酒1杯くらいです)が、
今もお酒を飲みながらレビュー投稿しています。

毎日酒を飲んでしまうのは、夜ご飯を作る際に、その香りによって、私の喉が喉越しを求めるようになるからです。
もう体が求めてるから、飲んでしまうのです。
その喉越しからくる開放感がたまらない。

マッツたちもお酒を求めてしまう。
彼らは人生の過渡期の時にお酒を求めるようになる。
研究職を目指して、家族にも恵まれて、幸せに暮らしていたけど、
なかなか研究職にもなれず、家族とも上手くいかず、空虚な生活の中で、
お酒を求める。
そうしたら、すごく調子が良くなった!!!
でも、その対処法こそが空虚で、失敗を起こす。

ここまでは、アル中映画で良くある話だと思う(※この映画はアル中映画ではありません)。
でも、それを経験したからこそ、気づける未来もあること、
そしてお酒は楽しい時間をよりよくしてくれることを示しながら、
ラストを締めるのがこの映画のフレッシュさだと思う。
人生はお酒に頼らないとやっていけない時もある。
でも、そんな弱い自分がいるからこそ、そこから打破てきたときの喜びは果てしない。

2020年のアカデミー国際長編映画賞を今作が受賞。
『少年の君』や『アイダよ、何処へ?』など社会派な映画が多い中、
今作も社会派ではあるが、すごくパーソナルな映画である。
コロナ禍の中、孤独が続く日々の中で、その痛みを分かち合う映画だったのかな。