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ハミルトンのYYamadaのレビュー・感想・評価

ハミルトン(2020年製作の映画)
3.8
【音楽映画のススメ】
~ 音楽と映像の素晴らしき
   コラボレーション

◆作品名: ハミルトン (2020)
・作品のジャンル : ミュージカルライブ
・楽曲のジャンル : ヒップホップ

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・アメリカ合衆国建国の父の一人であり、初代大統領ジョージ・ワシントンの右腕でもあるアレクサンダー・ハミルトン。彼はカリブ海に生まれ、幼くして親を失い孤児となり、そこから自力で稼ぎ、独学で知識をつける。
・ニューヨークへ渡ったハミルトンは、次第に革命に没頭。政敵アーロン・バーと対峙することになる…。

〈見処〉
①過去のアメリカを今のアメリカが描く
 伝説のミュージカルライブを映画化
・『ハミルトン』は「アメリカ建国の父」のひとりで、10ドル札の肖像になっているアレクサンダー・ハミルトンの生涯を、ヒップホップやR&Bと融合させて描いた伝記ミュージカル。7500万ドルにて配給権を獲得したDisney+により、2020年7月から全世界同時配信。2021年12月からは日本語字幕にも対応された。
・本作は、トニー賞史上最多受賞、ピューリッツァー賞受賞を誇り、ブロードウェイで最も利益を挙げたミュージカルにランキング入りする2010年代最大のヒット興行「ハミルトン」を映画化したもの。
・2016年6月に、同ミュージカルのオリジナルキャストが舞台を去る前に撮影された上演3回分の興行に観客なし撮影を加え、編集された作品となっている。
・本ミュージカルを手掛け、主人公のアレクサンダー・ハミルトンを演じるのは、たのは、高い評価を受けた『イン・ザ・ハイツ』(2021)の原作も手掛ける、ミュージカル作品の第一人者、リン=マニュエル・ミランダ。
・その他のオリジナルキャストは、『ブラインドスポッティング』(2018)のダヴィード・ディグス、『オリエント急行殺人事件』(2017)のレスリー・オドム・Jr、『アナと雪の女王』クリストフ役のジョナサン・グロフなど、もはや劇場では観られないキャストによる上演を映画作品として堪能出来る。

②結び…本作の見処は?
ミュージカル好きの方は、本作を鑑賞するだけでもDisney+に加入する価値があるはず。
◎: まさに「舞台と映画の良いところどり」。オーディエンスの歓声が聞こえるステージ上のパフォーマンスを最前列ポジションで鑑賞出来ると同時に、マルチカメラにより複数の演者の表情やアクションが映画のように堪能出来る。とくに、過去のシーンに巻き戻るシーンの演出は、他に類を見ない映画的なステージ・パフォーマンス。
◎: 普通の会話はほとんどなし。全編ヒップホップやラップ・バトルで語られるアメリカ建国史。有色人種の俳優が、建国の(白人)英雄を演じているのも、多様性の時代の作品と言える。
○: 第一線のキャストによる圧巻のパフォーマンス。とくにトーマス・ジェファーソンを演じたのダヴィード・ディグスと英国王ジョージ三世に扮したジョナサン・グロフの声量の強さに目に見張るものがある。
▲: 活気のある序盤に対し、シリアスさが増す後半にトーンダウンの感あり。圧巻のミュージカル作品であるが、2時間40分は長い…。
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