ケイスケ

ニューオーダーのケイスケのレビュー・感想・評価

ニューオーダー(2020年製作の映画)
3.5
予告やメインビジュアルにやたら緑が使われていたから一瞬「おっ、ゾンビかエイリアンものかな?🙂」って勘違いしちゃった笑。

マリアンが住む豪邸には名士たちが集い、彼女たちの結婚パーティーが開かれていた。一方、そのすぐそばの通りでは広がり続ける貧富の差への抗議行動が行われ、人々が暴徒と化す。ついにパーティー会場にも暴徒が押し寄せ、晴れの舞台は一転して殺戮と略奪の場となる。マリアンは難を逃れたものの悪夢は始まったばかりだった。

善人の主人公がここまで苦しめられる映画はなかなか無い😰正直86分という短い上映時間で良かった。もし2時間くらいあったら胸糞の限界を超えて観るのやめてたかも😥笑。虐殺シーンなど残酷な場面もありますがこれ見よがしに撮るわけじゃなく、引きのショットが多いから淡々としてるんですよね。これが逆に恐ろしいと思いました。

本作は現実世界では絶対に起きない、と言い切れないのが怖い。ていうか人類史で似たような事はあったわけですから。本作の話が動き出すのが、かつて主人公の家で働いていた使用人が病気の奥さんのために、お金を借りにくるのがきっかけ。つまり貧困層の格差社会を描いているのがまた現実的というか。ここで金を工面するマリアンに「いい子やわあ🥺」と思わせるのも後々の胸糞度が増す。

華やかなパーティーシーンが特に何の伏線もなく、いきなり180度違う地獄絵図に変わるのがリアルというか。主人公マリアン含めて人質たちは番号で管理されますが、こういう番号入れるのって焼印とか使うんだけどペンで雑に額に書くのも人間扱いしてなくて嫌な感じ。その他にもレイプや銃殺の場面が出てくるためかなり精神的にきます。

今年観た映画では間違いなくトップクラスで鬱になります。マジで『RRR』や『ザ・ロストシティ』とかで中和しないとやってられんぞ。ミシェル・フランコ監督作って他のもこんな感じなんですかね?観てみたいけど…ちょっと体調を整えてから鑑賞します😥笑。