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湖底の空のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

湖底の空(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

日本人の父と韓国人の母との間に産まれた双子の姉弟は韓国の地で育つ。20年後、姉はイラストレーターを目指し上海で自作を売り込む日々を過ごす。一方、弟は性適合手術を受けて女性となり、今は姉と同居している。そんなある日、姉は出版社から絵本の挿絵の仕事を請け負う。その担当編集者と姉は次第に親密となるが、姉はとある理由から男性全般との交際に消極的で......という話
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭コンペティション部門のグランプリ作品。

双子とその家族の数奇な運命が現代パートと回想シーンを交互に描くことで明らかになっていく構成。静かな展開が続く作品なのだが非常に見応えがあった。
自分を凌ぐ絵の才能を持っていた弟の存在のため、編集者との恋愛や絵の仕事にいまいち積極的になれない姉の感情の動きを少ないセリフで表現していた。終盤に判明する家族の秘密は予想外だったし、姉と弟との別れの場面はジーンとさせられた。

アグネス・チャン演じる絵本作家の絵本のストーリーが主人公の双子の境遇を連想させる内容なのもユニークだった。話中のぬいぐるみが可哀想だけど。
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