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アムステルダムのknykeastのレビュー・感想・評価

アムステルダム(2022年製作の映画)
4.2
人生はタペストリー

アメリカン・ハッスルのデヴィッド・O・ラッセル監督が放つ7年振りの新作。

豪華俳優達が織りなす魅力溢れる会話劇。この作品自体が唯一無二のタペストリーを紡ぎ出している!

ファシズが台頭した歴史の闇、お互いを必ず助けると誓い合った主役3人の絆、自由な文化が花開いたアムステルダム。

一言で表現するのは難しいですが、深刻な時代背景を扱いながら、とてもお洒落で心地よい作品に仕上がっています。

時代は第二次世界大戦の足音が聞こえ始めた1933年。偶然、国家を揺るがす重大な陰謀を知ってしまったある将軍が暗殺され、その将軍の娘が、ある医者と弁護士に死因究明ための解剖を頼む場面から物語は始まる。

何と言っても奇跡的なキャスティング!これ程の名優の演技を短時間で詰め込まれると何が起こるのか!?是非この至福なひと時を多くの方に体験して頂きたいですね(^^)

とにかく主演3人の会話劇が心地よい。解剖を担当した医者のバートには、クリスチャン・ベール。まさにカメレオン俳優。彼の視点で物語は進みますが、コメディとシリアスが同居した、なんとも言えない魅力的な人物を好演しています。

親友弁護士のハロルドには、デンゼル・ワシントンの息子で、TENET主演のジョン・デヴィッド・ワシントン。バートとハロルドを窮地から救った看護師のヴァレリーには、マーゴット・ロビーという胸熱な布陣!

個人的にはマーゴット・ロビーの妖艶かつ個性的な魅力に完全ノックアウトされました(^^)

ストーリーも史実や当時の流行りが満載で、若干前知識があった方が楽しめる印象ですが、予習無しの私でも十分楽しめる程、テンポが心地よいスリリングな脚本、俳優の魅力を120%伝える絶妙なカメラワーク、ホント皆さんいい仕事してます!

物語後半、ロバート・デニーロ演じる元将軍の迫力ある演説も必見です。ほぼ実話のストーリーの中でも、当時の演説を完コピした、まさにガチな実話パートになります。うん、力が入ってました!

これは映画ファンにとっては至福の時間を過ごせる事は間違いないです。画面から飛び出してくる個性豊かな名優達の魅力と熱気を、十二分に浴びて頂きたい作品ですね。
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