きき

私は確信するのききのレビュー・感想・評価

私は確信する(2018年製作の映画)
3.6
別作品を観た時に何度かトレーラーを見て気になってたので鑑賞。

00年に実際にフランスで起こった事件をベースにした法定サスペンス。
ある日姿を消した主婦、決定的な証拠はないものの、数々の疑惑や証言から夫が犯人として起訴される。
彼らの娘をシッターとして雇っていたノラ(マリナ・フォイス)は、彼の無実を証明すべく、自ら弁護士に直談判し、膨大な量の証言を聞き、調査をし、事件を暴こうと奔走する。

というお話。

単純に、とても興味深かった。
裁判シーンで、前方にいる裁判員の横に座ってる人たちは何なんだろう?と思っていたら、陪審員だったのは驚き。
フランスの法定シーンを初めて見たんだと思って、こういう違いもあるのか、と純粋に新発見☺︎︎!

あくまで事件はベースらしく、内容も近からず遠からず、みたいな感じなのかなぁ。

主人公のノラが、シンママなんだけど、結構生活や息子のことを放っておいてのめり込んでいく様がなかなかに痛々しい。
正しいことだとも思うし、見方を変えれば異常でもある。

何より、決定的な証拠が、どちらにもないわけで。

なので、本作を観ていて思ったのは、これが本当に彼のやっていない証拠になるのか、ということ。
「疑わしきは罰せず」を地で行くのか、と。

確かにやってなさそうな雰囲気で、色んな嘘や疑惑があるわけだ、それもそうだろう。
でも、あくまでこのノラ=彼は無罪、の視点からだからと思える演出。
ただ、それも一歩引いたところからの視点でもあるから、どれが真実になるんだろう、と客観視出来るのは良かった◎

弁護士の「犯人を挙げる為の裁判ではなく、無罪を勝ち取る裁判」という言葉が印象的。

ノラだけじゃなく、観客も自然と"犯人は誰だ"という思いが深まるから、結構ハッとさせられる。
最終弁論も、裁判シーンは長いけどなかなか印象的。

全体的に淡々としている部分があるし、聞きなれないフランス語なので、少し退屈に感じてしまうこともあるかも( ´ω` )
観るタイミングは選んだほうがいい作品かな。

記録 : 2021年42本目。
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