茜

セブンの茜のレビュー・感想・評価

セブン(1995年製作の映画)
4.2
以前から至る所でこの映画の評判を目にしており、やっと本日初鑑賞。

正直なところ終盤で何となくオチが予想出来てしまったので、結末は「やっぱりこうなるんだ…」とは思った。
でもこの映画のシナリオや音楽、映像の雰囲気も非常に良くて、約2時間全く飽きることなく夢中になっていた。
どういう意図があるのかは分からないけれど、雨が降っている暗いシーンが多かったのがとても印象的。
それとは対照的に、ラストではよく晴れた暑苦しいくらいの景色だったのも、何か意味があるのか…。

胸糞映画とか後味が悪いと言われているけれど、私的には後味は悪くとも決してバッドエンドとは言えないと思っていて、結局ラストでミルズは犯人に負けたのか?と言われたら決してそうとは言えないような気がしている。
最後に引き金を引いた時のミルズは、七つの大罪の「憤怒」を抱いているようには感じられず、とても冷静で無機質に引き金を引いたように見えた。
犯人にとって自身が撃ち殺される事が策略だったとしても、ミルズの心情は決して「憤怒」という感情的なものではなく、それを越えた先の決意や信念のようなものだったのではと思った。
だから個人的には、ミルズは犯人の描く七つの大罪の「憤怒」には当てはまらなかったんだと、そう思いたい。
制作時にはミルズではなくサマセットが引き金を引くという別シナリオもあったけど監督が却下したようで、
確かにまだ若くて感情的だったミルズが最後に引き金を引いてこそ、この映画の意味や深みが増すような気がする。

デヴィッド・ボウイの主題歌と、ナイン・インチ・ネイルズの挿入歌、そしてモーガン・フリーマンの冷静沈着な渋い雰囲気もとても良かった。
茜