ひとりごとです

愛してるって言っておくねのひとりごとですのネタバレレビュー・内容・結末

愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

銃の音
悲鳴
自分に起こるであろう数分後の悲劇

たくさんの情報たちの中で
少女が選んだのは
父と母に「愛してるって言っておくね」
とメッセージを送信すること

愛、を伝えた

黒い影が目には見えない
父や母、子供の心情を踊っていく

出会い


思い出のミートボール
心のタイミング

忘れてしまいたいほどに
大きくて重たくて苦しい
悲しみの感情

事件を、犯人を、あの日の自分たちを
攻めても何も変わらず
あの子が手を握って
私達がお互いから、過去から
離れていくのを引き止める

足は止まらない
それほどまでに
背中を丸めて
下を向いてしまうほどに
現実は重力のように身体を苛める

心が崖から、支えのある場所から
落ちてしまう

少女は終わりのある先端同士を
近づけるように
父と母を寄せ合う

背中が触れ
娘の笑顔に触れる
記憶、過去、存在、愛していた
愛している人

抱きしめ合いながら両親は涙を流す
黒い影たちは幸せそうに
微笑みながら
同じように重なって
重なりからは光、少女の影が生まれた
影は、光となって
溶けていった

視線はまるで少女のもののように
斜め上から空へと向かうようだった

よかった
馴染みのある家

それはうっすらと白色に呑まれて
目を閉じるように
物語は終わる

感想が難しい
ただ、過去を振り返って涙をして
立ち止まって
後悔を重ねながら
身体を丸める時があるけれど

その時間、確実に
目の前にある現実は置いてけぼりになる
真実を逃す
タイミング、だ
心の

少女はそれを望んでいないように思えた
そう見えた
この苦しい未来に向かって
あの愛の時間は進んでいたのか
なんのために
そんな思考がよぎる
きっと絶対かならずそうではない
無 ではない

ボールが当たって砕けた壁も
隠すために塗った青色のペンキも
彼女が好きだった音楽も
着ていたTシャツも

それは父と母の愛が生んだ命が
触れてきた
大切な存在

愛してる、って言っておくね
貴方たちを
貴方たちとの時間を

もう変えられない過去
顔を上げればそこにいる アナタ