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おもいで写眞のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

おもいで写眞(2021年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

東京で夢を追いかけるもうまくいかないヒロインは、祖母の訃報をうけ帰郷する。しばらく故郷の町で塞ぎこんでいた彼女だったが、役所に務める幼馴染のすすめで遺影のための写真を撮る仕事を始めるのだが......という話。監督自身が書いた小説を本人が映画化した作品。

死去した祖母と同じく、独居している老人たちが自身の写真を持たないことが多いため、生前に遺影写真を撮る業務にヒロインが携わることとなる。最初は縁起でもないと老人たちに敬遠されるが、彼らの思い出の地で撮影するという方針に変えたところ希望者が増えて、ヒロインもやりがいを覚えていく。この活動を通して、彼女の嘘のつけない融通のきかない性格の起源や、その性格ゆえに東京で挫折を味わってきたことが徐々に明かされていく。老人たちや仕事仲間に背中を押され、ヒロインが再生していく構成が素晴らしかった。スマホ撮影やデジカメ全盛のこの時代に固形の写真を題材に選ぶのもこだわりを感じた。

僕の故郷の富山が舞台の映画なのだが、かなり方言多めの作品。
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