Jaya

尼僧ヨアンナのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

尼僧ヨアンナ(1961年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

尼僧ヨアンナが悪魔に憑かれてスリン神父が身代わりになるお話。えらく意味ありげにバラ鞭出てきたなと思ったら、思ったほどの使い方はされず…。

幾度か繰り広げられる神学的なやりとりをどう捉えていいのやら、結局分からないまま最後まで行ってしまった印象。

悪魔が字義通りの悪魔ではないことは余りに明白だとは思うのですが、示唆されるものの可能性が多すぎて混乱。といって衒学的だったり皮相的だったりするわけでもなく。この信仰のリアリティはどこからくるのだろう…?

いずれにしろ、世俗的な着地点を匂わせながらも、そこを絶妙に通り抜けるような構成が堪らないです。

まるで舞台芸術のような演出の数々。どう見ても大袈裟ですんなりと頭に入ってこないのに不思議と違和感がない。白眉は悪魔祓いの一連の映像。僧衣の統一感と非現実感が素晴らしいです。

序盤に悪魔が乗り出すヨアンナも、「これ本気でやってんの…?」なんて感じつつも妙に惹きつけられてしまうという。

おそらくはカトリック世界を深く体感しなければ理解の追いつかないような箇所が多そうな気もしますが、それでも圧倒的な映像の力で原罪に考えを至らせてくる傑作でした。リストアしてほしい映画ナンバーワンかも。
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