尼僧ヨアンナの作品情報・感想・評価

尼僧ヨアンナ1961年製作の映画)

MATKA JOANNA OD ANIOLOW

製作国:

上映時間:108分

ジャンル:

3.7

「尼僧ヨアンナ」に投稿された感想・評価

natsuki

natsukiの感想・評価

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すごく好きなホラー映画のひとつになった。
ホラー映画の好きなところは、幽霊とか普通はこの世に存在しない存在や現象によって物語があり得ない方向に転がっていくから……だと思っていたけど、この映画では超常的なことはほとんど、もしくは見ようによっては何ひとつ起こらない。にもかかわらず、日常では決して見たことの無い光景がいくつも現れてくる。そのことの神秘さ。
映像も、どこまでも白い世界だからこそ当たり前にそこにある影がとてもきれいだったり。
集団で悪魔に取り憑かれた尼僧たちが放埒に振る舞う様子があまりにも楽しそうで、それに一人一人がまた違った動きを見せるのが、それでいて空気を読むような部分も見せるところ、全部が悪魔というよりもどこまでも人間らしくて尊い。
とても見応えのある映画だった!悪魔に憑かれたのが尼僧という時点で神と悪魔の隣り合わせな関係に恐ろしさを感じた。憑かれたヨアンナも悪魔ウェルカムなムードになっていて妖艶さが凄かったのと動きに笑ってしまった。モノクロだからか白い僧服がより際立って異様な雰囲気を醸し出していて映像も綺麗だった。ラストの締め方も良かったと思う。
稲生

稲生の感想・評価

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18/7/23

18/7/5
大学で見た。
もう一回見ないと評価が難しい
HACHI1965

HACHI1965の感想・評価

5.0
尼僧ヨアンナを通し人間の業と1961年ポーランドの内政を深く炙りだした秀作、この作品が後の映画エクソシストへかなり影響を与えている事は否定出来ないだろう、鑑賞するにはいささかの覚悟も必要だが、近代に於けるタブーとされ黙視するテーマには見直すべき価値があるエクソジズムを通し人間の抱える深淵にある闇を訴え見事に描きだした作品とも言える。
黒に一部分だけ白い余白のある謎の画面からどんどんカメラが引いていき、その正体が髪が薄い全身黒衣の神父が五体投地をしている姿だと分かる。そんなプロローグ。

悪魔に憑かれたという尼僧ヨアンナの狂乱っぷりがとても妖しくてエロティック。一点のシミもない真っ白な修道服で麗しい歪んだ笑顔だけが強調されている。
ヨアンナがその純白の修道服、他の修道女たちはほぼ白に近い淡い灰色の修道服で統一されている所に細かな拘りを感じる。

公開悪魔祓いの儀式がとても印象的で、途中修道女たちが一斉に五体投地するところは地上に落ちた白い鳥の死骸ようだった。
プロローグといいラストのヨアンナと神父を隔てる柵のショットといい目に焼き付く映画
しゅん

しゅんの感想・評価

5.0
11月28日 ポーランド映画祭

ぼくらの愚かしすぎる心を緊迫した映像表現においてポエジーに変えた傑作。今でいう神父のPOW視点で捉えられた空間に忍ぶ不安感。酒場の親父は奥にいたかと思えば突然にカメラの前に顔を出す。怯えを隠せないほど不安定な心境にいるくせに、悪魔に取り憑かれた女を救おうとする。なんて馬鹿なんだろう。宗教と愛の裂け目に自らを見出し、男はやがて荒野において狂気を抱く。父親を殺された無邪気な子供たちが彼の側ではしゃいでる。そして、反復された生活を引き裂く一つの音。
宗教心がわからなくても、洗濯棒に干された尼僧服の奥に隠れるヨアンナを目で追いかけたものなら、十字形に横になるあまたの尼僧たちを上から撮るショットに戦慄を覚えたものならこの映画が何を描こうとしたからかわかるはずだ。自らの視点と神の視点に引き裂かれ、二人の私に引き裂かれ。いくつもの私を統合できず、恐れを抱えたまま、にもかかわらず愛するなにかを孤独に救わなくてはいけない。慎ましく、それでいて消えない恐怖。人を驚かせない静かなこの映画は、愛を徹底的に主題化した最もラディカルなホラー映画なのだ。

…2012年に観た時に好きすぎたせいで再見するの不安だったけど、やっぱり大傑作で安心しました。この映画の衝撃的なところをなんとか言葉にしてみようと腐心したが、うまく書けているだろうか。いずれにせよ生涯ベストです。ヨアンナはブリッジした後に自力で立ち上がっててとんでもない身体能力です。
所詮人間の性欲は断ち切れないもので、聖職者にそれを禁じているカトリックは論理的に成り立たないものなのか。

本作は、カトリックの不合理に大胆にメスを入れている、ように思える。
敬虔なカトリック信者が大多数を占める当時のポーランドでこのような作品が撮られたことに驚いたが、カヴァレロヴィチ監督は無神論者だったとのことで、納得した。

悪魔祓いに難儀するスリン神父がユダヤ教の司祭に相談に行き、「キリスト教が根本的に間違っている」と言われるシーンなどは、まさに監督の本音なのかも知れない。

(私は無宗教だけどキリスト教やカトリックを批判しているわけでは全くありません、念のため)

かなり地味な作品ではあるが映像はさすがに素晴らしく、モノクロームの映像に全身白の修道着がとても印象的。調べたらカメラは『灰とダイヤモンド』を撮った人だった。
美しい構図ばかりで成り立っている。例えば洗濯物干場でギシギシと音をたてる竿とずらりと干してある修道着。
でもヨアンナがゴロゴロ転がって逃げていくシーンは笑いそうになっちゃった。

正直いうと宗教色一色の話があまり肌に合わなかった。だけどずっと観たかった作品だから、劇場鑑賞できて大満足です^^
菩薩

菩薩の感想・評価

3.7
自分でもなぜ悪魔祓いだとか除霊だとかのシーンを観ると彼が浮かぶのかは分からないが、頭の中にずっと織田無道が鎮座しちゃって大変な時間を過ごした。悪魔憑きと言いながら結局は性欲に翻弄される童貞神父のお話で、そんな物を「悪魔」と呼んでしまうのであれば人は皆堕落しきった悪魔から産まれてき悪の化身なわけで、その抑圧により精神的なバランスを崩していく人間の気持ちはおそらく俺が地上で一番良く知っている。べっぴんのヨアンナと屋根裏部屋にこもりビシバシと自らを鞭打つマスターベーション、ってかあれ本当に傷ついて血出てなかったか?徐々にドMとして開眼していく神父さん、ユダヤ教のラビに信仰を根本的にフルボッコにされて以降の目つきはもう見てられんし、斧を片手に立ち尽くす姿はもう「魔王」って感じで勝てる気がしない。そう、世の中はもう「悪」なのだ、それに身を投じてしまう方が、生きていくのは断然楽であろう。純白の祭服に身を包んだ尼僧たちと、真っ黒な僧侶達、そんなイメージは嫌でも脳裏に焼きつくし、1番の悪魔は散々谷間をぶるんぶるんさせておきながら一回も乳は見せてくれないカヴァレロヴィチその人だと思う。俺もヨアンナの為なら中島みゆきばりに悪にでもなるよ。
紫色部

紫色部の感想・評価

3.5
2017.11.28 東京都写真美術館

真っ白な尼僧たちが回ったり寝転んだり出たり入ったりするだけで画面が豊潤な運動量を伴っていく驚き。

尼僧と神父との明瞭な白黒のコントラストは、神父と教師(ラビ)との切り返し、もしくはヨアンナ嬢との格子越しの切り返しへとふんだんに活かされ、真っ黒に燃え尽きた木のショットや、寒々しい尼僧院前の光景、崩れ落ちていく砂場などの荒涼とした景色の反復や集積は、主題として設定された主人公の信仰の揺らぎへと的確にリンクしていく。

転がったりブリッジしたり胸元がはだけたり引き摺られたりするヨアンナ嬢の魅力に主人公は心奪われていくことになるのだが、1カット内で聖女から悪魔へと豹変する姿を序盤で見せつけられるのだからその引力は計り知れない。

冒頭の鐘の音から始まる、尼僧院から漏れる賛美歌、物干し竿(?)の軋む音などの聴覚への意識付けはやがて無音の鐘のショットへと帰結し、祭服を纏った神父の身体は背景の暗く深い陰影とついに一体化する。
bowzZ

bowzZの感想・評価

4.5
再見。エクソシストへの影響も確かにナルホドと思わせる、ブリッジもしてるし。
でも悪魔憑き元祖のこちらはATGの第一作目なほどのアート系。娯楽作のあちらとは対称的。
元ネタのルーダン事件とやらが気になる。
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