Growltiger

世界で一番しあわせな食堂のGrowltigerのレビュー・感想・評価

世界で一番しあわせな食堂(2019年製作の映画)
3.0
昔の恩人を探しにフィンランドの田舎へやって来た中国人のチェン親子は食堂の女性シルカの世話になる。
料理人をしていたチェンが食堂の手伝いをしたのをきっかけに、彼の作る中国料理は評判になる。


世界幸福度ランキング1位のフィンランド。
世界三大料理の1つ中華料理。
設定とかは凄く好みだったけど、期待したせいか残念な部分がチラホラ。

ベタな展開とかは良いんですよ。
そこまでストーリーが盛り上がらないのも、ほのぼの系映画ならむしろ歓迎。
邦画の『かもめ食堂』とか好きな映画だし。

残念に感じたのはまずチェンがあまり好きになれなかった。
人探してるって割に最初食堂にいつまでも居て、シルカが泊めてくれなかったらどうするつもりだったのか...。
なんか仏頂面だし、子供連れてるけど親子の微笑ましさもあんまり感じられない。
周りの健康を気づかってくれるのは良いけど「ジュースはダメだ」と言って温かいスープ作るっておい(笑)

あと結構色々な人物が出てくる割に、あまり掘り下げないのでもう少し人情というか人でホッコリさせてくれても良かった気がする。
学校の先生とか、警官の兄ちゃんとか良さそうなキャラはいたのに勿体無い。

それから出てくる料理が基本薬膳料理だからかスープとかでそこまで惹かれなかったんですよね。
中華料理は好きだからもっと「今日は中華食べて帰ろう!」ってなるような飯テロ映画にして欲しかった。
美味しそうな料理もあるんですけどね。まぁ個人的な好みです。

チェンが料理を作りだすきっかけの中国人観光客団体にはイラついてしまった。
海外(フィンランド)の田舎の食堂に突然団体で来て料理に文句言うなよな!
「寿司はないの?」って日本に来て言うならまだしもフィンランドで言うなアホ。
中国人観光客にフィンランドで中国料理を振舞ってそれで満足してるのとか展開に違和感しかない。

この映画の柱である「異文化交流」として中国料理を出すのは良いけど、地元の人からそこそこ親しまれていた食堂だったのだから中国料理ばかりではなく、フィンランドの美味しい料理も出して欲しかったなぁ。

フィンランドの広大な風景にはとても癒されました。
野生のトナカイがいる道や大自然の中にあるサウナやダンスホール(ここの音楽も良い)とか、料理よりそっちに惹かれました。
自分もこういうのんびりした所で食堂とか開いてみたいなって、多分やらない夢を思い描いてます。