《うーん、F.U.T.U "普通"だった件》
2010年代のアクションヒーロー物は、平凡なオヤジが殺し屋と化す無双映画が大流行でしたね。
この手の『ジョンウィック』『イコライザー』系譜の作品にはイマイチ乗れず、僕の管轄外だったのですが『ハードコア』のVRさながらなアクションにぶっ飛ばされた、イリヤナイシュラー監督2作目という事で収穫ありそうな予感がしました。
絶賛大人気中のムードに水を差すようで恐縮だが、毒にも薬にもならない凡庸極まりない作品でした。まあこのポスターで一目瞭然だが、いわゆるプログラムピクチャーのノリで70点満点中70点を叩き出す様な映画だ。
エドガーライトかぶれなCMカット風手法でユーモアにメリハリをつける演出とかも、なんかスベってる気がするし、既視感ばっかりだったなあ。
興味深いのは、復讐or巻き込まれが主軸となることが多いこの手の作品は、わかりやすく勧善懲悪な構図でカタルシスをスカッと叩き出す。
しかしこのノーバディは復讐って割には引くんですけど、ってレベルでランダムに暴力を振るうのだ。
もはや、何にキレてるのか分からなくなるほどシナリオも破綻していき、とりあえず端から皆殺しする光景には「大人なんだから穏便になさい」とうるさい世の中に置いて気持ちいいものを見せてくれた。
僕が大大大ファンな『フォーリングダウン』に通ずる爽快感があったのだ。
なんだかんだ楽しかった気もするが、うーんやっぱり普通って記憶に残らないよね。