Jaya

戦場のメリークリスマス 4K 修復版のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

4.8

このレビューはネタバレを含みます

ジャワの日本軍捕虜収容所でヨノイ大尉が移送されてきたセリアズ少佐に惚れるお話。高画質スクリーンで観れて感動でしたが、血糊袋がハッキリ分かったり、良し悪しだなと思う箇所も。

タイトルバックから尋常でない美しさ。カット割りや演出に疑問に思うところもありましたが、構図や色遣いが抜群でした。劇伴も当然素晴らしいですが、使い方には工夫がなかったり。

俳優陣、特にハラ軍曹とセリアズ少佐のえげつない魅力。2人は殆ど絡みませんが、何から何まで素晴らしい。ハラの笑みと真顔の作り方が途轍もない。

ロレンスも安定した演技。ヨノイ大尉は佇まいや表情は素晴らしいですが台詞は棒読み。カネモトやイトウら脇役も素晴らしい。所長こと内田裕也は内田裕也でしかなくて毎回笑ってしまうんですが。イワタ法務中尉はダメ。

白眉はロレンス釈放のシーン。ハラ、ロレンス、セリアズ、そして俘虜長も含めて、緊迫と弛緩の間合いがどこまでも美しい。ラストシーンも細かいカットの間の取り方が素晴らしい。上から撮るカットが2人の距離感を見事に表しているようで心に刺さります。

生と死や男の友愛、戦争という茶番をテーマに、一貫した静謐な熱量で示される心にへばりつくような数々のシーンが、人間の根源的な哀しみを描き出していた傑作でした。
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