アカバネ

楽園の夜のアカバネのネタバレレビュー・内容・結末

楽園の夜(2019年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

パク・フンジョンの新作がNetflix限定で公開。ということで、これを機に加入して鑑賞。

配信開始当日に観たときもモチロン結構満足したけども、2021年に観た新作韓国映画が個人的に暴力要素が物足りなかっただけに、2022年を迎えた今思い返しても「あれは良かったなあ」と尚更感じるくらいには満足できる暴力描写があったような。特にクライマックスでの血塗れで頭突きするシーンは絵面が地獄のようで超最高でした。
あと『ザ・レイド』に代表されるバイオレンスなインドネシア映画によく見られる、「対立する2者がバリバリ被弾しながら互いを銃で撃ち合う」という構図が見られたのも個人的には超嬉しかったです。

他の人の指摘で気付かされたことだけど「北野武の映画(特にソナチネ)っぽい」というのには、「組織から遠く離れた大自然に囲まれた場所で、生に対して疲れてるっぽい主人公が~」とか、それに加えて「最後に拳銃自殺」とか、確かにそれっぽいなと思わされたりもしました。
そんなバイオレンスヤクザ物語に寂しさを抱える少女との交流も加わり、果てには「戦闘力が高い少女が大暴れ」な場面があったりして...
どうしても監督の過去作『The Witch 魔女』を連想させるつくりになっているのが意図的でないにしても観客に対してあざとい感じがして、観ていて楽しいものの初見時は少しノイズに感じたりもしました。
とはいえ序盤で彼女が銃の扱いに長けていることを示す前フリ場面が丁寧にあったりするので、納得できるっちゃできる。

あと韓国映画じゃ登場人物を演じる役者の「顔」が結構大事で、正にフンジョン監督の大出世作である『新しき世界』では役者の顔面力がキャラクターのスタイルを表現していたりもする。
というのを踏まえて本作を観ると、オールバックに髪をセットしているチャ・スンウォンは濃い目で印象的なものの、主人公を演じたオム・テグは薄口な感じで初見時こそ不満を感じたりもした。
しかし今思い返せばあれがチェ・ミンシクとかの「顔面そのものが暴力」な感じだと主人公の疲れ切った感じとかは表現できないわけで...って感じで、やっぱあれで良かったんだなと思い知りました。

といった感じで、鼻につくところが無いわけじゃないが、総合的には超好きです。
パク・フンジョン監督にはもっとハードコアな映画を撮って欲しい!
アカバネ

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