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大怪獣ガメラのbackpackerのレビュー・感想・評価

大怪獣ガメラ(1965年製作の映画)
3.0
◾︎ガメラシリーズ第1作

【作品情報】
公開日   :1965年11月27日
作品時間  :78分
撮影    :ワイドスクリーン(白黒)
監督    :湯浅憲明
製作    :永田秀雄
製作総指揮 :永田雅一
脚本    :高橋二三
音楽    :山内正
特撮技術  :築地米三郎
出演    :船越英二、霧立はるみ、山下洵一郎、内田喜郎、浜村純、ほか

【作品概要】
1954年に製作された『ゴジラ』によって、日本の特撮怪獣映画ジャンルが切り開かれると、映画制作会社はこぞって参入。
しかし、1964年までに4作品を送り出した東宝ゴジラシリーズは強く、市場を席巻・独占するほどの勢いを有していた。

東宝の牙城を崩すべく、大映特撮怪獣映画第一弾として企画された『大群獣ネズラ』は、大騒動の果てに頓挫。
次なる一手として企画されたのが、『火喰い亀 東京襲撃』というプロット。
後に大映のドル箱となる大怪獣ガメラは、こうして動き出したのである。


【作品感想】
初代ガメラを見るのは今回が初でしたが、その特撮の出来の良さに驚きました。
そんな出来の良い特撮が、大映初の大規模特撮怪獣映画だったため、必死の試行錯誤によって生み出されたという事を知り、二度驚き。
65年製作なのにモノクロ映画だったので、11年前の『ゴジラ』第1作をオマージュしてのことかと思いましたが、単にロウバジェット映画故の資金難でカラー撮影が出来なかっただけ、という事を知り三度驚き……。

とまあ、鑑賞中も鑑賞後も驚くことばかりな作品でした。
実際、自衛隊の戦闘シーンや、ガメラの口から本物の炎が噴き出すシーンには感動し、ゴジラとは異なる、ゴジラには無い魅力をヒシヒシと感じました。


【ガメラシリーズ所感等駄文①】
ガメラ。日本を代表するモンスターアイコン〈ゴジラ〉に並び立つ存在であり、北極に落ちた原爆によって目覚めた恐怖の大怪獣です。

実写ゴジラシリーズ全作を見直すにあたり、多くの特撮作品に改めて触れる機会を得ましたが、その際気づきました。
「ガメラって、平成三部作と小さき勇者しか、見たことないな」ということに。

とりあえず平成三部作を見返してガメラ機運を盛り上げた後、いざ勝負!とばかりに挑みました『大怪獣ガメラ』。
そうか、平成三部作のルーツは、本作だったのか……と、得心がいきましたね。

平成三部作においては、そのリアルな描写の素晴らしさがたまりませんでした。
(特に自衛隊の描写という点で、ガメラはゴジラより圧倒的に優っているなと思います。)
平成三部作の影響は、ガメラから特撮怪獣映画の祖ゴジラシリーズに逆輸入され、庵野秀明監督の『シン・ゴジラ』にて顕著に見て取れることになります。
まあ、庵野監督は『GAMERA1999』を撮っていますし、当然っちゃ当然ですね。

さてはて、ゴジラ見たからお次はガメラ!と安直な理由で見始めましたが、これは思いの外面白い作品群に巡り会えたやもしれません。

2020年に生誕55周年メモリアルとして、4Kデジタル復元版平成ガメラ三部作のドルビーシネマ公開が行われ、にわかに活気づいたガメラ界隈。
2015年以来動きのないガメラシリーズが復活する日は来るのか?

『シン・ガメラ』が作られる日を、夢見て待ちたいと思います。
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