もものけ

スプートニクのもものけのネタバレレビュー・内容・結末

スプートニク(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

エイリアンといっても、悪者とは限らないのよねぇ〜……。

ソビエト連邦宇宙飛行士ヴェシュニャコフとアベルチェンコは、衛星軌道上でのミッションを終え、地上へ降りる際、船外に謎の物体を目撃する。
地上へ落下したスプートニクから命からがら脱出したヴェシュニャコフだが、軍に拘束され施設で検査を受けることになる。
重症を負ったアベルチェンコと対象的に、どんどん回復をするヴェシュニャコフに何かが起き始まるのだった。
医師法違反で調停を受ける医師タチアナは、突然訪問する軍部から調査を依頼されるが、驚くべき事態を告げられる…。


感想。
近年のロシア映画は発展凄まじく、SFやアクション分野ではハリウッド並の迫力映像です。
明るいきらびやかなトーンで、ロシア独特なコミカル演出を交えたSF作品が多く、個人的にはあまり漫画チックでリアリズムがないために、それほど惹かれる作品はありませんでした。
しかし、この「スプートニク」は、傑作SFホラー「プロメテウス」に影響されてるような渋い暗めなトーンの映像で、コミカルな演出を排除して、シリアスに創られているので緊張感があり、音楽を効果的に用いて、迫りくるエイリアンの恐怖を上手く描いております。

ただ、毎回日本の配給会社がやらかすのか、ジャケットの酷さからB級作品にしか見えないのには、せっかくの質の高い映画を、配給する気があるのか疑問すら感じる駄目さです。
ヒット作品「スカイライン」に似せて呼び込もうとする意図がミエミエなジャケットは、本国ロシア版のダークなジャケットで良かったのに、なぜ画像貼り付けにするかセンスの悪さが伺えます(笑)

中盤からのコンタクトあたりから盛り上がりが失速してしまい、キャラクターの掘り下げも甘く、それぞれの意図が分かりづらいなど、まだまだ発展途上なロシア映画ホラーではあります。

明らかに「エイリアン」を意識したクリーチャーデザインも、目新しさもなく、エイリアンをそれほど驚異的に描かれていません。
ジャケットにある戦闘を想像させるシーンもないため、質の良さはあるものの、後半はまぁまぁといったところでした。
映像や音楽のセンスが良かっただけあって、描きたかったのは何か分からなくなり勿体ない感想です。

未知の生物の持つ再生能力で、子供を救おうとした家族愛がテーマなのでしょうか。
前半の驚異を煽る演出からの変化としては、2度鑑賞するあたりから面白く思える気がします。

ラストシーンの子供を迎えに行くシーンは、なかなか感動を盛り上げて良かったです。

それなりには、楽しめたので、3点を付けさせていただきました。
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