Jaya

エル プラネタのJayaのネタバレレビュー・内容・結末

エル プラネタ(2021年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

金がないけども全く意に介さない仲の良い母娘の日々のお話。字幕を黄色で入れてるのが意味分からなくてイラッとしました。そういうの要らないっす。

カメラを殆ど動かさず、淡々と映し出される母娘。悲惨な状況でお先真っ暗なのに、悲壮感が一切ない空気感が素晴らしい。単純な明るさや強さというわけではなく、皮肉を含むおかしみ。

最初は意味がないと思ったモノクロも、きらびやかさを抑える意味でかなり効果的だったのかもしれません。ファーストカットの、カラーなのかもよく分からない曇り空が良かったです。

構図もかなり美しいのですが、どっかで見た感が強かったです。具体的に監督名が浮かんでしまう…。母娘の生き方に照らし合わせて、それすら狙ってやっているのだとしたら凄すぎですが。

レオに起こる事柄もやっぱり既視感。しかしラストのお母さん逮捕のシークエンスは素晴らしかったです。飄々とした母のセリフ回しも効いていて、「FIN」の唐突さも美しい。その後のニュース映像は無くても良かったのかなという気もしましたが、どこまでも「現代的」。

映像としての表現にかなりの説得力があり、それだけで物語を作り出していて、独自性が更に加わればどうなるのかと次が楽しみになるような作品でした。
Jaya

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