サラリーマン岡崎

テーラー 人生の仕立て屋のサラリーマン岡崎のレビュー・感想・評価

テーラー 人生の仕立て屋(2020年製作の映画)
4.3
主人公の様々なアイデアにすごくワクワクする映画。
冒頭から生活の様々なことにアイデアを凝らして工夫して暮らす主人公が描かれる。
棚を置かない?代わりに、紐でカゴを吊るし、そこに石鹸などを入れている。
また、ベットを裏返すと、そこには様々な工具とテーブルが出てきて、
スペースを活用させている。
主人公のその工夫した生活だけでなく、ミシンや布を切る音とオープニングミュージックを重ね合わせ、
テンポの良いシーンを作り出す製作陣のアイデアにもワクワクする。

そのアイデア豊富な主人公が移動式テーラーをするわけだが、
その「移動する」というアイデアだけでなく、
彼が作るウェディングドレスも素敵でワクワクする。
テーブルクロスをドレスの一部で使用するシーンは本当に胸がときめいた。

そのアイデアを活かして、活力を取り戻していく主人公。
でも、いつまでも成功するかというと、そうではないという話になっていくのもこの映画の味わい。意外と現実的。
まぁ、主人公も調子乗ってしまったし、あんなことしちゃダメや笑。

ワクワクする物語の中でも、移民や家父長制、値引き文化など、
ギリシャの社会も垣間見れる。