Jaya

田舎司祭の日記 4Kデジタル・リマスター版のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

若くて生真面目な司祭が田舎にやってきて孤立していくお話。冒頭抱き合う男女のカットに痺れた後は眠かったですが、夫人に説く辺りから覚醒するよう。

原作があることがすぐに分かるような一貫した文芸口調に眠気を誘われますし、少しでも気を抜くと何を言ってんだかよく分からなくなります。

演技も今一つに感じる人が多かったのですが司祭は素晴らしい。ひたすら苦悩するその様が見事に演じられていました。

とにかく苦悩する司祭。信仰の独善性との紙一重のところを歩くよう。神に祈れなくなるという苦しみの表出も凄い。そしてバイクの後ろに乗る神父の表情のインパクトたるや。

村人に受け容れられず、ただ夫人に安息をもたらしたという点で、キリストに準えているようにも思いましたが、どうなんだろう。敬虔さや愚直さとは少し離れた個性のようにも思えて難しい。

司祭には現世的な救いはなく、ただ暗いだけの話ですが、その枠を超えて、司祭を通じて崇高なものを強烈に感じさせてくれる傑作でした。
Jaya

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