働く変人。
スパークスのドキュメンタリー映画。
スパークスの映画が存在するだけで、(個人的バイアス強めですが)満点。
「アネット」含めてこんなに二人が注目される事はなかった気がします笑
エドガーライト監督、本当にありがとうございます。
新譜が出る度、あれ?しばらく聴かなかったけど、
スパークスやってたのか!といって思い出す形で新譜を手にするのですが、
その度に想像を毎回超えてきます。
それはよくも、悪くもなんですが。
驚異的なのは、いつもちゃんと「スパークス」であり続け、すり減っていないんですよね。
どの時代を切り取っても、「スパークス」としてのビジョンに一貫して忠実であり続ける。
あんまり好みじゃない曲も裏切られた感じの曲も中にはありますけど。
しかし。
かならず挑戦とユーモアがあり、あいかわらず「スパークスやってますなー」といつだって元気にさせてくれます。
その部分があるので、長いキャリアにありがちな安定志向で「迎合しちゃってつまんないことやってんな」
と、失望したことなど一度も無いんですよね。
50年間奇妙なままで生き残り続けた変でひねくれたポップセンス、新しいスタイルへの追求。
その変遷を識者や関係者、スタッフ、そして本人らがキャリアを頭から語っている構成。
様々な角度からの照射によって、
「人と違う」という真の意味。「オモシロさの基準」をどこに置いているのか。
クリエイターとしての姿勢とその環境が浮き彫りになってきます。
そして、物作りを追求すると沼みたいにはまるオモシロさと、
物作りすると発生するいろんなバイアスや逆風や摩擦で心折れまくりになる状況。
この両方描きつつ(体現しつつ)
それでもなお「スパークス」であることを選択し続ける強さ。
それが、この映画で発見した超しびれるところでした。
売れなくてハッピーじゃないかもしれないけど、
絶対そっちでよい。てことありますよね。(ないですかね^^;)
重要局面に置いての一つ一つの選択基準自体に(音楽家に限らずに)クリエイターがあこがれる理想のクリエイターの姿があるんですよね。
売れる売れないは一つの側面でしかありませんが、
職業がクリエイターてことではなくても、貫く。ということがどこまで出来ているか?
「迎合しちゃってつまらないことやってんな」自分でそう思う瞬間ないか?
そういうことを問いかけられる映画でしたね。
映画としてもスパークスのポップかつ奇天烈な部分を伝えながら、
朗らかにキャリアをたどるだけなんですが、言葉にしていない矜持が滲み出ていて全編不思議と涙があふれて仕方なかったですね。
感動モードで劇場をあとにして、この勢いで今一度CDを買おう!と渋谷有名某レコードに駆け込んでいったら、
スパークスのアルバム、一枚たりとも置いていませんでした^^;
いつだってそんな感じですよ。。。
いいんですよ。
これがスパークス。と感じたままにこれからもメチャクチャやりまくってほしいところです^^