真っ黒こげ太郎

BANSHEE バンシーの真っ黒こげ太郎のレビュー・感想・評価

BANSHEE バンシー(2008年製作の映画)
3.5
都市伝説の妖精(バケモノ)が人類を食い尽くす!

何でアイルランドの妖精がそんな所にいるのかはワシにも分からん…。




春休みのコネティカット州。
例によって山奥の田舎にキャンプにやって来た若者達。
しかし、先に来ていた仲間は姿を見せず、テントはボロボロになっていた。
すぐにその仲間が姿を現すが、次の瞬間テントが治ったり、何故か妙に無口だったりと様子がおかしい。

そして次の瞬間、仲間の一人は恐ろしい怪物に姿を変えて若者達に襲い掛かってきた!!!
犠牲を出しながらも民家にたどり着くが、怪物は目前まで追っかけてきて、大急ぎでドアを塞ぐ。
案の定、その家では電話も無線も使えず、皆で立てこもる羽目に。
そしてその間、人間に化けて惑わせるのが得意な怪物は、民家の周囲の人々も巻き込んで殺戮を繰り広げるのだった。



アイルランドの伝説に出てくる妖精「バンシー」が人々を襲う、モンスター・パニック映画。
監督は「エイリアン・バトルロワイヤル」「カジノ・ゾンビ」等のコリン・ゼイズさんで、今作が初監督との事。

内容はシンプル。
バカ率多めな若者達がキャンプ地で怪物に襲われ、逃げた先の建物に立てこもってあーだこーだする、B級パニック映画の王道を地で行くお話。

今作の”バンシー”なる怪物は人を喰らう妖精というのは珍しく、「叫び声を聞いたら死ぬ」「人間に化けて惑わせた所を襲う」等の設定もありそれらを有効活用して襲ってくる。
(ついでに人間状態だと思いっきり凶器で殺害してくる。しかも結構怪力。w)

更にバンシーに襲われた人々はグロテスクに死ぬ。
CG合成とかも使ってるけど血糊の量はかなり多いし、特殊メイクのグロも多めで、スプラッター映画としてはそれなり。
木の棒で串刺しにされたり、喉を引き裂かれたり、怪力で内臓を抉られたりと、結構なグロゴアっぷり。
特に後半の男警官2人の死にざまは見事なグロっぷりで素晴らしい!!!


しかし、上記のモンスターが織りなすグロゲロこそ悪くないものの、それ以外の要素はそこいらのB級パニックとそんなに変わらん!

登場人物はこの手のB級映画でよくある個性皆無な連中で、KYでウザい黒人青年が辛うじてキャラ立ちしてる程度。
モンスターも思いっきりペラペラで薄っぺらいCGだ。w

ストーリー展開も、すぐにモンスターが姿を現して逃走展開になるのはいいものの、バカな奴がションベンに行くわ、KY黒人青年が空気の読めない台詞で場を白けさせたりで、緊張感の欠片もない。
籠城した後はお互いの身の上話を語り出してgdgdになったりと、お話的な難点を上げればキリがない。
挙句の果てに、クライマックスの戦いを大幅に省略!!!(盛り上がる所なのに!!!)
そして、多くの人が予想できるようなありきたりなオチへ…最後の最後で面倒くさくなったのか?

ついでに怪物のCGやグロメイク等の安っぽさを隠す為か、幾つかぼかした映像になったり、目まぐるしく切り替わったりするのも煩わしい。
特に序盤のグロはその所為で見ずらくなってしまったので、そこら辺は安っぽくても良いからちゃんと見せて欲しかった。


という事で、グロゴアスプラッター的な見どころはありつつも、それ以外の部分が色々とガバガバな所為で、結局は何時もの低予算モンスターパニック程度の出来に落ち着いてしまった。
幸い、モンスターはそれなりに暴れてるし残酷描写も多いのでそういうのが好きならばまぁ暇つぶし程度に見ればいいかな?w