アマゾンの熱帯地方で暮らす10代の少女、首都リマで裕福な生活を送る女性、アンデス山脈の貧しい村に住む年配の女性…ペルーの3つの地域を舞台にそれぞれ異なる事情を抱える3人の女性の物語。

①アマゾンの熱帯地方で暮らすエヴァ…母子家庭。初潮を迎え、性に関心を持ち始める。露出高め、魅惑のボディの持ち主。

ある日、都会に住む伯父マリオが街に帰ってくる→母「小さい頃に会ったきりだから覚えてないか…しばらくうちに泊めるから！ヨロシク！」→我が家に男が…ドキドキ→優しいマリオに乙女心、キュン♡

エヴァは親友シオマラと友達の誕パに向かう→「エルネストってエヴァのこと好きなんだって！告られたら、どうする？」→「う～ん…どうしよっかな～」→ガールズトークで盛り上がっていると、散歩するマリオに遭遇→「あれ？オシャレしてどこ行くんだい？」→「友達の誕パっス」→するとエヴァは「あっ！そういえば私、マリオに街案内するって約束してたんだ！ごめん、パーリーは1人で行って！」
この発言に、はっ！？何言ってんの？冗談でしょ？驚くシオマラと約束なんかしてましたっけ？？なマリオ。
しかし、そんなことはお構いなしにエヴァは親友を裏切り、マリオと街ブラデートに行ってしまう。
友情より男。恐ろしや…

本日は大雨…クラスでかくれんぼ→エヴァは男子とカーテンの裏にかくれる→ぎこちない空気が流れる→手と手が触れ合う→見つめ合う→ドキドキ→そしてエヴァは…スカートを脱ぐ(なぜそうなる)→お前も脱げ！と男子にもズボンを脱ぐように促す…。
その瞬間、「見ぃ〜けっ！！」カーテンが開く。
「！！」
慌ててスカートを上げるが…開け放たれたカーテンの向こうには、唖然とするクラスメートとシオマラ。まさに地獄絵図(笑)

とんでもねぇ醜態を晒してしまったエヴァは、ずぶ濡れになり帰宅。
タオルを差し出すマリオ。
何も言わずタオルを受け取りソファーに座る…沈黙…見つめ合う2人…そして…

好奇心が災いし、取り返しのつかないことになってしまった哀れな少女のお話。

②リマで暮らすヴィクトリア…海の見えるモダンな家で夫と裕福な生活を送る。

一見何不自由ない生活を送っているように見えるが、ヴィクトリアはある秘密を抱えていた。
子供を欲しがる夫に内緒でピルを飲んでいる→「おかしいな…なんで子供できねぇんだ？」→首を傾げる夫→「病院の先生が、子供を望むことがストレスになっているんじゃないかって…気楽に考えましょ…」夫に嘘をつくエヴァ。
新聞を読む夫の顔色が変わる→「ちと、シャワーを…」→明らかに様子がおかしい→夫外出→新聞を探すが、見つからない→ゴミ箱→新聞を発見→〝ウィンドサーフィンの王者バルディビエソが講師に〟→「！！」

海へ…ウィンドサーフィンの王者に会いに行くエヴァ。
「いつからリマに？」→「2年前から」→2人は、元夫婦→「結婚したのか？」→「あなたは？」→「一緒に暮らしている人はいる」→「…子供は？」→「3歳の男の子が1人…君は？」→「…」→うつむく元旦那→「あの子…生きていたら10歳よ…」
沈黙…波の音とカモメの鳴き声…「君は悪くない。誰も君を責めないし、誰も悪くない…辛い出来事だったがあれは事故だ。誰にでも起こり得た」
だが、その言葉はヴィクトリアには届かず…。

つらい過去に囚われ苦悩する金持ち奥様のお話

③アンデス山脈の貧しい村で暮らすソライダ…一人暮らし。食事はじゃがいもとゆで卵。娘からの仕送りと手編みのニットを売り生活をやりくり。

山岳地帯で暮らすソライダ。ある日、刑務所から出所した息子が帰ってくる。
「2～3週間泊めてくれ」
ソライダは、息子のために鶏を手刀で絞める→フライドチキンにされる鶏→チキンを喰らい思い出話に花が咲く→久しぶりの楽しいおしゃべりに笑顔のソライダ→息子は畑仕事や薪割りを手伝う。
山を降り、ふもとの村へ→都会に住む娘と電話→「元気だよ！えっ…知らないね、あの子いつ出所したって？こっちには来てないよ…」娘に嘘をつくソライダ。

手編みのニットを売るためバスに乗り街へ→息子もついて来る→店開き→娘からの仕送りを受け取るため郵便局へ→息子に店番頼む→仕送り受け取り、店に戻る→「あの赤いの30ソルで売れたぜ！」→「えっ！？そんな高値で…せいぜい15だよ…」→「アメリカ人だからわかりゃしねぇーよ！俺、散歩に行くわ！」息子はどこかへ行ってしまう。
約束の時間になるが、息子現れず…1人で帰宅→仕送り＆売り上げ金を箱に入れ隠す→朝になる→息子は家に戻りベッドで寝ている。
2人は畑仕事へ→仕事を終え、先に帰る息子→ソライダは薪拾い→帰宅する→息子、居ねぇ…→隠しておいた箱を開けると、中は空っぽ…
息子はソライダの有り金を全てパクり姿を消す…。
ふもとの村で娘からの電話を待つソライダ。「もしもし、元気だよ…仕送り受け取ったよ…ありがとう…なんでもないさ、ただちょっと疲れたかな…」

バカ息子はいつまでたってもバカ息子…気の毒な母ちゃんのお話。

年齢も身分も生活する気候も違う3人のペルー人女性の悩みと失望を描いたオムニバス映画。
静かで淡々と進み、なかなか良きでした。

同じペルーに住む3人の女性の物語。場所と天気は違うが、皆それぞれの悩みを抱えている。ぱっと移り変わるのが、面白い。

ペルー映画祭