このレビューはネタバレを含みます
タイの小さな村が舞台。土着の女神を信仰し、祈祷師として仕える女性を撮影班が密着することに。
彼女はある日、姉の夫の葬式で再会した姪の奇行を繰り返す姿に驚かされる。やがて得体のしれないものに憑依され凶暴化し、原因不明の体調不良にも苦しめられる姪を救おうとする姉妹だが、呪いの正体は想像を絶する強大なもので......という話。
タイ・韓国合作。韓国映画「哭声」の監督のプロデュース作品とのことで鑑賞。確かに哭声に雰囲気似ている。
取材班のカメラを通した擬似ドキュメンタリー風な主観映像が臨場感を醸し出しているおどろおどろしいホラー作品。
前半は哭声のオカルト要素を薄めたようなドラマ中心の内容で、終盤は「ブレアウィッチプロジェクト」「パラノーマルアクティビティ」的な古き良きPOV作品の驚かせ演出を全面に押し出していた。夏に観るにはぴったりな映画。
昨今のタイ映画は予算もかけているせいか、お話や画的な部分に安っぽさはほとんどなく、ホラーとして満足のいく出来だった。祈祷師として長年神に仕えていた女性の一族の信仰心の揺らぎや姉妹の関係性も見応えがあった。
役者は芝居が上手いかどうかはよく分からないのだが、体を張った熱演が光った。特に姪役の女優さんは現代モデル風な出で立ちなのに濡れ場やグロシーンもこなしていて憑依された以後はほぼ恐い特殊メイクだった。
難点はキリスト教を扱った哭声とは違い、
馴染のないタイの神々信仰はピンとこなかった点と、もう相当使い古された暗視カメラのPOV映像に新鮮味が感じなかったことかと。多人数が取り憑かれて撮影者に襲いかかるシーンは迫力あったけど。
あと、この手法である意味とか、撮影者がいる設定なのにこの場面は誰が撮っているの？といった疑問点も散見された。
お話としては、最後の儀式前の5日間に色々パニックになるのだが、呑気に隠しカメラで撮影なんかせずに儀式の日まで姪を拘束して監禁しとけよ！とツッコみたくなった。儀式中に姪を監視する役目の人はもっとしっかりした人を選ぶべきだったと思う(^^)。犬が可哀想......
主観映像の作品観ると、僕の体質のせいなのかカメラの手ブレ激しいシーンの時にカメラ酔いしてしまって気持ち悪くなるのが難点(>_<)
