今年344本目

壮絶な人生すぎる。
もっと取り上げられていい人物ですね

競技者として全力で向き合ったの彼と
自分らしさを大切にした彼女
どちらも素晴らしい

• #ドキュメンタリー

葛藤と信念を胸につかんだオリンピックの栄光。その先で、本当の自分と向き合うため、さらに困難な道のりを歩んだケイトリン・ジェンナーの特別な物語に迫る。

カーダシアン家のリアリティに出てくる、いつの間にか理由もわからず話題性のために性転換手術したパパって印象以外に何も無かったけれど、すんごい人で驚いた。人の目に見えない場所でとても大きな悩みを抱えてやっとケイトリンになれたんだ、何故か観てるこっちが大変申し訳ない気持ちでいっぱい。ところで州知事選前に本編放送開始したみたいだけど、そういう意図ではあるのかな。

トランスジェンダーってどういうものなのか、あまり良く分からないので観てみました。

この人は、「世界で一番有名なトランスジェンダー」と呼ばれていて、なんでかって言うと、ゴールド・メダリストだからなんですね。1976年のモントリオールオリンピックでは、ただ金メダルを獲得するだけでなく、2位に200点以上の差をつけ、8618点の世界新記録で金メダルを獲得した、とのことなんですが、「十種競技」という種目で、私はこの種目さえ知りませんでした。

しかし、ブルース・ジェンナー、めっちゃいい男！しかももちろんアスリートなのでいい身体しているし、モテただろうなあ。これだけ男性として成功したのに、ずーっと女性になりたいと思う気持ちが変わらなかったんだから、やっぱなんかあるんでしょうね。

本人的には、ディスレクシア（文字の読み書きが困難）のため勉強があまり得意ではないので、運動神経がいいと先生に言われたとき「自分を生かせるのはここだ！」と思った、そして、小さい時から性別違和症候群（gender dysphoria）だったことから、「自分は男なのか、女なのか？」と悩んできて、それらがない、普通の平均的な人間だったらこれほど努力してこなかっただろうと言っていました。

今と違ってこの人の子供時代は、女の子の恰好をしたいなんて言ったら怒られたり親にガッカリされたり、「もう人生終わり」みたいな気持ちになったのではと推測され、絶対にそういうところを他人に悟られてはいけない、って思ったんだろうなあと推測されます。

でもこの人、恋愛の対象は女性なんですよね。それは最初からずっとそうで、女性ホルモンを摂取することを始めてからも、女性と恋に落ち、その相手があの有名なカーダシアン家の元妻？クリスで、彼女との関係がシリアスになってからは女性ホルモン療法をいったん止めたりもしている。

あ、ごめん、これらの情報は、後からウィキで読んだもので、このドキュメンタリーだけを見ると、最初、子供の頃読み書き困難と女装癖があって、自分を変と思っていたけど、運動神経がいいのを認められて、それからは自分の能力を伸ばせる場所を見つけた、自分を肯定できる活動を見つけたって感じで頑張った。

そして、オリンピックで一位になることが、自分を証明する夢、みたいになって、すっごい努力したということが語られています。この人は、「オリンピックにはプロのアスリートは出てはいけない」ってルールになってた最後の年の人だったので、国に経済的支援を受けるでもなく、個人で練習して、普通の仕事をして、みたいな生活をしながら先ほど言及した成績を出したってのが、すごいことだったらしいです。

で、カーダシアンのリアリティショーとかで注目されるようになって、その時性転換しようとしていることをメディアで大々的に取り上げられ、時の人になった、って話なのですが・・・。

トランスジェンダーってのがどういう現象なのか、と言うことに理解が深まる、って感じのドキュメンタリーではなかったですね。だから後でウィキとか一生懸命読んじゃったんだけど。

私が解らないのは、女の子のカッコをしたい、ってうのが「女になりたい」ってことなのか？ってところなんですよね。確かに時代背景を考えてみると「女のカッコしたい」＝「女になりたい」って思っちゃうのも無理はないと思うんですけど、現在のように男の子がお化粧したり、女の子みたいなカッコしたり、っていうのがある程度認められていたら、性転換したいと思うんだろうか？

例えばマツコさんとかミッツさんみたいな、性転換しなくても女性っぽい人が前例としてあったら、それでいいと思うのか？

私も小さい時男になりたい！って思っていたけど、それは男の方が自由（社会的な縛りがない）とか、男の方が頭がいい的な、社会的なイメージが良かったからだけで、そうじゃなかったらおっぱいが邪魔とかおち〇ち〇が欲しい！とか、そういう思いをしたことがないので、性転換に対する情熱がさっぱり理解できない。

「理解できない」からって「そういう生き方は不幸」とか「そういうことをするもんじゃない」と否定する気持ちはないんですよ。そんなの本人が良けりゃいいじゃん、としか思わないのですが、ただ「理解することは難しいな」と思った。

だって、「女性になりたい」と思うって、「女性とは」って定義はなんなのか？と思いました。例えば性転換手術やホルモン療法などで、胸が大きくなったり、性器を除去・作成したりなど、それが「女であること」の明かしというか、人工的に作られたものでも「ああこの方がいい」って思うのか。

ケイトリンになってからのジェンナーさんは、髪を伸ばし、巻き髪にし、お化粧しているけど「それが女性であるってことなのかなあ」と思った。私お化粧しないし、家ではきったないカッコしているし。マツコさんだって、家では男性みたいじゃないですか。

私の感覚では、ケイトリン・ジェンナーの思う性転換って、「バービー・ドールになりたい」とか「アンジェリーナ・ジョリーになりたい」って整形手術を繰り返す女性と変わらないのでは？という印象を受けました。

彼女がグラマー・マガジンで「ウーマン・オブ・ジ・イヤー」に選ばれたことで、女性たちから批判が出たりしているようなんですけど、私もこれはどうなんだろ、と思いました。だってジェンナーさんは、60歳くらいまで男性として生活してきたんでしょ？

もともとの性別が自分じゃないのでは？というような気持ちはわかるんですよ、なんとなく。彼女は、「ケイトリンはずーっと自分の中にいたけど、表向きにブルースというキャラを演じていた」と言ってました。これもわかるんですよ。「女ってこういうもの」というステレオタイプされて、「本当の私は違う！なんで女だからってこうじゃいけないの？」みたいなことは私にもあったし、でもジェンナーさんの時代に「女と感じている男」であるって言うのは社会的に抹殺されかねないからかなり押し込んできたのだろうと推測できる。

で、現在のジェンナーさん・・・・。これが、ブルース・ジェンナーがなりたかったケイトリンの姿なのでしょうか？正直なにを達成したかったのかわからない。マツコさんやミッツさんの方がよほど女らしいし、自然に見える。ケイトリンさんは、身のこなしが男っぽい。

マツコさんって、しぐさとか女性っぽいじゃないですか。だからああなっちゃうのを隠せないからとかってことなら理解できるんだけど・・・。恋愛の対象は女性だし、父親でいることも楽しんだらしいし、女性の服を着たいとかお化粧したい、ってことであれば、今や男性でもそれをしてかまわないと思うし・・・

アスリートをやっているとき、世間が自分を「オール・アメリカン・ヒーロー」のように扱ったことにも違和感を覚えていたのかなあ？男性アスリートと話が合わなかったのか。

とかって色々考えちゃうんですけど、「自分は女だ」って本能のようなものだ、って言われてしまえばそれまでなんですよね。理屈で理解しようとしてもできないですよね。