マフィアの幹部ジェームズ・ガランテがマイナーリーグのアイスホッケー🏒チームを創設。代表は最愛の息子AJ・ガランテだ。
息子想いのジェームズは🏒ホッケー大好きAJが試合中の怪我（自ら危険なタックルをかまして負傷）で再起不能になり塞ぎ込んでたのを見て元気つげようとしてのこと。

AJは当時若干17才、そして性格は超やんちゃのプロレス好き。どんなチームを作ったかというとホッケー🏒とプロレスを融合した反則上等の乱闘に特化した悪の集団だ笑
なんかマンガみたいだよな。
そんなAJが選ぶ選手だから当然ケンカ上等の札付きばかり。主力の乱闘の常習犯でリンク外でも警官を六人ぶん殴り逮捕されたバッドガイを筆頭に悪名が轟く選手ばかり笑
「かっこいい悪の帝国を目指すぜ」と息巻くAJ。おもしろすぎる笑
チーム名は「トラッシャーズ」（thrashers）、ジェームズの表の稼業がゴミ収集業者🗑️だから。

不安と期待を集めた開幕戦、開始直後スティックを投げ出し相手チームに襲いかかるトラッシャーズの面々、スタジアムはカオス状態になる。乱闘はオーナーであるジェームズの指示だった。
以降、ほぼ毎試合乱闘騒ぎを起こしながらトラッシャーズは勝ち続ける。「私はタフな選手が好きだ。選手を揃えた息子と彼等を誇りに思う」とジェームズはこ満悦。代表のAJもノリノリだ笑

文字通り悪の帝国化したトラッシャーズは当然だけどホッケーリーグ、メディアから叩かれる、「リーグの恥だ」と。
しかし、悪名に反してトラッシャーズの人気はうなぎ登り。
コネチカット州のタンベリーって小さな町が本拠地なんだけど、ここはそれまで娯楽もない寂れた町。そこでホッケー🏒チームが出来るというので地元の暇をもて余してるおっさん、おばさんが大集結。ホッケーは観たことないしルールもわからないけど、乱闘のおもしろさは分かる。その悪辣ファイトに魅了され熱狂的なファンになる。特に相手チームの真後ろに陣取る常連達は凄まじく、相手チームをディスりまくり乱闘が始まると狂喜し、相手チームの選手がダウンすると、「ボディバック」と連呼し死体収納袋を掲げて乱舞しまくる。このトラッシャーズ・フーリガンは座席のブロック名から"セクション102"と呼ばれトラッシャーズと同様対戦チームに怖れられる笑

他にもコーチが相手チームへの悪辣なヤジで退場になったりオーナーのジェームズが乱闘に乱入して退場になったりとおもしろエピソードが満載なんだよ笑

しかし、おもしろいだけじゃなくて心暖まる。選手とフロント、そしてファン達の結び付きが強くて。特にファン達。それまで退屈しかない人生がトラッシャーズのお陰で張りが出来たと、口々に語る。本当にチームを愛してる（ホッケーのルールは覚束ないけど笑）
"セクション102"のメンバーの障害者の初老夫婦は「トラッシャーズのお陰で人生が楽しくなった」「ユニフォームを着て棺⚰️に入れてくれと遺書に書いた」と熱くトラッシャーズ愛を語るシーンは感慨深い。
車椅子の奥さんは障害者ホッケー🏒を始めるぐらい前向きになった。

タイトルはネガティブだけど、本作は『ロッキー』と同じ感動作なんだよ。
寂れた町に活気をもたらし住民達の心の灯をともし連帯を紡いでいく。その媒体が札付き悪党チームってだけで笑

そんな愛すべき"悪の帝国"トラッシャーズだったけど戦績も人気も絶頂の時に解散を余儀なくされる。
オーナーであるジェームズがFBIに逮捕される。
疑惑はあったものの実業家の顔を保っていたジェームズだったがFBIの捜査でライバル会社への恐喝、暴行、そしてトラッシャーズをトンネルにしたマネーロンダリングの証拠を捕まれる。ジェームズ、マフィアとしてもガチに大物でニューヨーク五大ファミリーのジェノベーゼ一家の幹部だということも明らかに。こりゃアウトだよな笑

ジェームズも元FBIの捜査官を弁護団に加え必死の抵抗を試みるも懲役7年の刑が下り収監される。
この時、マネーロンダリングの件で息子も起訴されそうになったことから、息子を守りたい一心で司法取引を受け入れ懲役に行ったことが語られる。
このジェームズ、悪人なんだけどチームの選手に破格の報酬を与えたり自らも乱闘に加わるし、息子を守るために懲役に行く、侠気の塊のような性格に尊敬の念が湧き上がった。
仲間想いで子煩悩、最高の漢だよ！マフィアだけど笑

刑期を終えたジェームズが出所。息子、チーム関係者、ファン達が彼を出迎える。旧交を温め合うラストシーンは思わず泣きそうになった🥺

感動的なドキュメンタリーだった。おれが大富豪ならトラッシャーズを復活させたかった！てか、トラッシャーズのホッケーシャツ🏒欲しいー！
🏒🏒🏒thrashes ruluuuueeeees!!!!!!!!🗑️🗑️🗑️💨💨💨💨

その実力と激しい乱闘で知られたアイスホッケー界の問題児。 そんな彼らを率いたのは、マフィアとつながりのある父親にチームを買い与えられた17歳の少年だった。ドラマ『ソプラノズ』のモデルとなった一家。

☆はみ出しもの達が集まって町おこし(アイスホッケー事業)☆
アイスホッケーって人間をボコスカ殴るスポーツなんでしたっけ？陸上で言う長距離終盤の駆け引き的なスリリングを味わえるかと思ったら命に関わるレベルで驚き。確かに一体感は生まれるかもしれないけれど、それこそ格闘技を最初から主催すべきだったのでは(ドキュメンタリーにたらればはご法度だし元も子もないが)。ジェームズ・ガランテ、ガランテファミリーの内情をもっと知りたくなる。

実録！アイスホッケー版スーサイドスクワッド！

マフィアと繋がりある父親が17歳の馬鹿息子の誕生日プレゼントとして、アイスホッケーチームを買い与え、さらにチームの代表に就任させる。というイカれ散らした設定が既に笑える。

チームに所属する選手やコーチ、スタッフは札付きの悪党揃い。試合の度に乱闘、怪我、流血騒ぎは当たり前。もはや試合というよりデスマッチに近い光景に度肝抜かれるが、観に来た客を確実に楽しませ、着実にファンを増やす荒技ビジネスっぷりは、どこぞのインディプロレス団体っぽさがあり面白い。

このアンチスポーツマンシップに溢れんばかりの物語が実話だったという狂気。ネトフリのドキュメンタリーは相変わらず裏切らない。傑作！