あさんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

あ

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理由なき反抗(1955年製作の映画)

5.0

普通に「理由ある反抗」でした。
「神を信じる」ってこういうことなのか、とふと思わずにいられない映画でした。「いつの日か逃げたこと、犯した罪も、時間が経てば笑い話になる。それは本当か?」ということを真に
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卒業(1967年製作の映画)

4.7

なんでこんなに評価が低いんでしょうシリーズ堂々の第n +1弾目ですね。
二人の距離感がどうたらこうたらその辺の便所の壁に書いといた方が良さそうな作品が溢れる恋愛映画史上に燦然と輝く傑作でした。そもそも
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エンゼル・ハート(1987年製作の映画)

4.1

小さな恋のメロディの脚本を書いたアランパーカーによる大きな心臓のメロディ🫀

割とありがちな私立探偵モノのストーリーから、医師の死を皮切りにオカルティックな地獄描写に引き摺り込んでいく演出が見事でした
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トゥインクル・トゥインクル・キラー・カーン(1980年製作の映画)

-

古城の中に心を病んだ帰還兵たちを収容するという奇抜な設定に惹かれて鑑賞しましたが、蓋を開けてみれば、まさかの設定よりも内容が斜め上に急発進していったので、なんとコメントすればいいのか検討が尽きません。>>続きを読む

ファイブ・イージー・ピーセス(1970年製作の映画)

1.5

身の置き所のない男が全てから逃げ出す話でしたが、正直ジャックニコルソンが浜ちゃんみたいな顔の女を連れ回した挙句ガソリンスタンドに放置したという事しか頭に残らない映画でした。家族や恋人との隔たりを描いた>>続きを読む

見えざる敵(1912年製作の映画)

3.5

壁の穴から銃口が姉妹を狙うところを寄りで撮ったところや、クライマックスに家の中と助けに来る車のクロスカットは、早くも後のグリフィス作品の片鱗を見せていたと思います。物凄くシンプルな話の中に映像でストー>>続きを読む

ポネット(1996年製作の映画)

3.7

子供達の演技が桁違いでした。特にポネットの泣きの演技については、監督がマジでシバいてんじゃないかと疑うレベルでうまかったです。また掛け合いが独特で面白かったです。特に父と別れるところで、発車前に叫び始>>続きを読む

バニシング・ポイント 4Kデジタルリマスター版(1971年製作の映画)

5.0

この映画の脚本は、キューバ出身の有名な作家が書いたらしいんですが、本作は良い意味で脚本の存在を感じない映画でした。オチはもう”ザ・アメリカンニューシネマ”で、物語という物語もありませんでしたが、オチ一>>続きを読む

ダーティハリー(1971年製作の映画)

4.5

丸腰の相手に発砲するわ、令状もなしに住居に踏み込んでいくわ、もう法なんて飛び越えて個人的な復讐心のみで突き進むキャラハンと、単純な刺激欲しさに犯罪を繰り返す、完全に狂った異常者の果し合いは、刑事ドラマ>>続きを読む

ニックス・ムービー/水上の稲妻(1980年製作の映画)

4.4

本当にいつ死んでもおかしくない人間がカメラに向かって演技している様は初めて見たので衝撃的でした。途中ニックさん「あ”ーーーー!!」って声あげながら喋ってましたけど、あれ絶対苦しさを大声で紛らわせてたん>>続きを読む

ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.9

常にカメラが動き続けていて、しかも長回しが多かったので、独特の浮遊感がありました。しかし長回しと言っても意味のないものではなく、例えば会話する二人から会話の対象へと視点を移していったり、ストーリーの流>>続きを読む

バード★シット(1970年製作の映画)

5.0

死体に絶対鳥のウンコがついてる連続殺人から、いきなりカーチェイスが始まったかと思ったら、Brewsterがドームを羽ばたくというなんともしっちゃかめっちゃかな話でした。ストーリーを追うのがもはやバカバ>>続きを読む

ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男(2014年製作の映画)

3.9

アルトマン監督は、本当に撮りたいものだけを撮ってきた幸せな監督だったのだろうと思いました。本作は、監督自身へのパーソナルな深掘りは全くなされていませんでしたが、そもそも監督の人生をなぞるだけでも面白か>>続きを読む

父の肖像(1970年製作の映画)

3.9

粗暴な父を乗り越え、兄妹、そして自分の家庭までもを作り上げ、自信満々に迎えた老後で、今度は自分の父親としての自負が祟って息子と対立することになる...。これは断ち切れない父子の呪いの話だと思いました。>>続きを読む

さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)

3.9

水兵達の話なのに、一行は一時も船に乗りませんでしたが、あたかも船の中にいるかのような、同乗者の親睦、窮屈さへの不満、そしていつか来る旅の終わりへの寂寥感が感じられるところに、ハルアシュビーの上手さが光>>続きを読む

ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.8

ベネデッタが本当にキリストに見初められたのか、はたまたベネデッタが嘘をついていたのか、最後まで確信が持てないまま話が進んでいくところに妙なスリルがありました。封建的な教会の秩序に支配されたベネデッタ含>>続きを読む

イントレランス(1916年製作の映画)

4.4

キリストパートとユグノー戦争パートがバビロンパートと現代パートに比べて弱すぎるのが難点でしたが、4時代の不寛容と愛の物語を、ゆりかごで繋げて3時間足らずに収めたグリフィスの力量は、凄まじいものがあると>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.8

後半になると若干失速気味に感じましたが、特に建物や車の扉を出入りする度に素早いカッティングが繰り返されることで、主人公たちがどんどん一線を超えて行く疾走感がありました。また、同じロードムービーでも、例>>続きを読む

ぼくの伯父さん(1958年製作の映画)

4.2

息の詰まるほど小綺麗でモダンな邸宅を、一瞬でお遊びの場に変えてしまうところに、「ぼく」が「伯父さん」に惹かれる理由があったように思います。これほどまでに画面いっぱいに観客の視線を持っていく楽しい映画は>>続きを読む

血槍富士(1955年製作の映画)

3.7

一本道の街道(東海道?)を舞台にしたということで、避けようにも避けきれない人間関係の交差があって面白かったです。ラストに至るまで少々淡白な映画ですが、妖刀物語のように、気が弱く優しそうな片岡千恵蔵が、>>続きを読む

ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

「記憶の断片」という言われ方はよくされますが、本作はまさにそれを体現していました。モノクロ写真の連続なのに、一枚一枚の画にこんなにも血が通っているのは、そもそも記憶というものは、時間が経つほどに余白が>>続きを読む

対峙(2021年製作の映画)

3.8

線の引き方、消し方が異様に上手い映画でした。冒頭はやたら物を真ん中に置いて画面を真っ二つに割っていたり、シンメトリーの構図や二人ずつの切り返しが多かったりして、両者の圧倒的な隔たりを感じさせつつ、後半>>続きを読む

ハロルドとモード/少年は虹を渡る(1971年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

葬式で運命的な出会いをするというところが良かったです。ハロルドが死を意識して野次馬していたのは言わずもがなですが、ラストを知ってから改めて考えると、モードも死に場所を探していたんだと思えてきます。ハロ>>続きを読む

小さき麦の花(2022年製作の映画)

5.0

刈られる麦は何を言えるか...というお話。

「主人公たちがそこにいるみたい!」を遥かに通り越して、もはやちょっと「いる」レベルに到達していました。特に「作る」描写がえげつなかったです。住居や食料など
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ぼくの伯父さんの休暇(1952年製作の映画)

4.1

結局誰の伯父さんなのかはっきり分からないのが良かったです。ユロはみんなの伯父さんなんでしょうね。
タチのぎこちないようで洗練された動きが、徐々に年齢も性別も生い立ちも異なる人々をかき混ぜて一つにしてい
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月はどっちに出ている(1993年製作の映画)

2.2

どの登場人物も少し大袈裟な描かれ方をしていて、しかも間が悪いので、全体を通して若干不自然な感じがしました。もう少し役者の演技に頼らずに目で見せても良かったんじゃないかと思いました。
また、苗字、冒頭の
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裏窓(1954年製作の映画)

4.2

動きを封じられた主人公の目の前には、隣人の生活を映し出す裏窓。これだけで、「見る」映画だということがはっきりとわかります。それぞれの裏窓があたかもスクリーンのようで、その中で様々な物語が同時進行してお>>続きを読む

マドモアゼル(1966年製作の映画)

3.3

マドモアゼルがここまで鬼畜のような振る舞いをする行動原理がいまいち描ききれていなかった印象です。その結果残酷描写の見本市のようになっていた感は否めません。独身男性の欲求不満は描かれがちな一方で、独身女>>続きを読む

暗殺の森(1970年製作の映画)

4.1

この主人公、自分から憲兵に顔を近づけていったところをみるに、いわゆるゲイの性質があったのではないかと思いました。ファシスト党政権下のイタリアで、そのようなマイノリティへの抑圧は激しかっただろうし、自分>>続きを読む

未来惑星ザルドス(1974年製作の映画)

3.9

勃起検査のシーンには笑いました。無垢なゼッドが生命力を授精する代わりに知識を吹き込まれるシーンは、全く新しい壮大なベッドシーンだったように思います。哲学的な話にプロジェクションマッピングのような表現や>>続きを読む

死刑台のエレベーター(1958年製作の映画)

3.9

ロープを忘れただけなのに...というお話です。一つのミスが不運の連鎖を生み、やがて運命に囚われていく男女の無様さを、エレベーターという密室や、明暗をはっきりさせたモノクロの画面で引き立たせる演出が見事>>続きを読む

バニー・レークは行方不明(1965年製作の映画)

3.7

本作はオチの秀逸さに驚きましたが、そこを感想として書いてしまえば、まだ観ていない人達の鑑賞意欲が失せてしまうところが惜しいと思いました。父を失った兄妹の孤独を渦中の描写から間接的に感じさせる演出は見事>>続きを読む

家族の肖像(1974年製作の映画)

3.6

シネスコの広い画面に広がる書斎に一人佇む老人の姿に、例えようのない孤独がありました。迷惑だけども孤独を埋めてくれる借り物の家族の存在が、手で触れて感じられた瞬間に消えてしまう様が、まさに肖像画の中の世>>続きを読む

パンと植木鉢(1996年製作の映画)

4.3

若い警官が花束を渡せていたら、そして若いマフマルバフがナイフの代わりにパンを差し出していたら...あり得たかもしれない平和的な結末を、未来ある青年たちに託したマフマルバフの温かく希望に満ちた眼差しが、>>続きを読む

ヨーヨー(1965年製作の映画)

4.5

どんな贅沢を尽くしても心ここにあらずだった父が、恐慌で家を失い、家族と共に街へ飛び出して初めて得たものこそが真の楽しみであったように感じました。そして、やがて活躍の場をテレビに移し、巨万の富を得た息子>>続きを読む

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

3.8

一つでも、二つでも、そしてまた一つになっても幸せは幸せ。背徳的なのに幸せが途切れない不思議な映画でした。
幸せがありふれていると、どこかが欠けてもすぐに埋め合わせができる。幸せであればそれでいいと言う
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