びらびらマンさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

びらびらマン

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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.4

「明けない夜は無い」と言うけど夜が頬を撫でることがたしかにあります

自身ではコントールできないことも、自身では無い他者であるからこそ助けられる、ケアできる。登場人物みんな優しい。与えられるだけじゃな
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.6

「拝啓、元気にしてますか?悲しみの王である君たちへ」みたいな入りからの言葉が不自由に感じるぐらい絶妙なニュアンスで「人」を描いていく

いや、どんだけ「映画の力」を信じてるの???ってなるし、ラストシ
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ファンタスティック Mr.FOX(2009年製作の映画)

4.3

そもそものストップモーションアニメとしてのクオリティが高い

監視カメラの5つぐらいのモニターで映像を繋いでいくシーンなんかはそれぞれの画面に見せ方の違うアイデアが詰め込まれてて、ウェスアンダーソンの
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梟ーフクロウー(2022年製作の映画)

4.1

脚 本 力 強 い

予告から楽しみにしていたので、初日に見に行ってきたけど思った以上に好きでした

予告の段階でのこの作品の肝としていた部分が、「犯人は誰なのか?」、と「盲人の秘密は?」なのですが、
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ミツバチのささやき(1973年製作の映画)

4.0

いくら画が綺麗でも物語が動き出すまでが長すぎて眠くなりますよこれは(寝てないです)

ただそこを差し引いても全体ではかなり好きとなるぐらいには良質

ここまで詩的に表現するのは当時スペインの独裁政権下
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エル・トポ(1970年製作の映画)

4.3

ホドロフスキー教の聖典

カルト宗教が仏教を自分なりに解釈してそれを広めるなんてことはよくある話ですが、本作はそれを聖書をベースにホドロフスキーが人間の「醜さ」や「悟り」をテーマに再解釈を行っています
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エル・スール(1982年製作の映画)

4.3

生まれた時から側にいる「親」のことを実は全然知らないよねっていう

「親の事何を知ってるんだろ、?」って考える事ないですかね。自分はめちゃくちゃにあるんですけど、いつも「ほぼ知らない事しかないや」ぐら
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ダム・マネー ウォール街を狙え!(2023年製作の映画)

4.2

コロナ禍を振り返るする持たざる者の復讐劇でした

映画の構造自体がコロナ禍で起こった人の繋がりを表現していて面白いです

群像劇なのにほとんど登場人物同士の直接的な交流はない本作ですが、全体でみると繋
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

先行上映にて。

まず本作「パルムドールじゃないんだ!?」というのが最初の感想。なんとなく取りそうな雰囲気ですよね👨‍👧‍👦

内容としては、1人の女性が自由と平等を掴む物語としてバービーと似ているな
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イカとクジラ(2005年製作の映画)

4.2

「もう手遅れなのかな」

監督自身が子供時代に経験した離婚話を基に、両親と子供2人の4人の視点から語られる非常に苦しい映画

本作は81分という尺の中に4人の人間関係、性格がスマートに語られていて、感
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マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

3.5

流石に難解ですが、この作品の表現方法は映画でなければならないですね

他の映画ではありえない歯切れの悪いカットが続き、後半それが収束していくのですが、この気持ちよさが良くも悪くも映画的だなあと、、
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

4.4

「もう疲れちゃったよ」的な雰囲気とヌーベルバーグに代表される作品だけあって瑞々しさが同居しているお洒落映画

途中で「男がいて女がいる」という印象的なセリフがあるのですが、本作の結末はそのセリフと真逆
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

4.0

とても丁寧なセラピー映画

冒頭から周囲に頼れる人間が存在せずに心身共に共に宙ぶらりんになっている主人公が、ラストは実の両親からの呪縛を逃れて初めて人に「頼る」(心を預ける)ことを覚える。

主人公だ
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羅生門(1950年製作の映画)

4.2

人間の醜さに絶望する中、人を信じるという行為がある種の自己への救済にも繋がる

セットがかっこいい。京マチ子さん演じる女性の方がずっとヒステリック起こしてますね、

アラビアンナイト?

野いちご(1957年製作の映画)

4.3

「孤独に向き合うには」

老人になると友人や家族とも若い頃と比べて距離が出来てしまい、どうやっても「孤独」という感覚を避けることはできないのでは無いかと思います

そしてその「孤独感」から、自身の過去
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赤線地帯(1956年製作の映画)

4.2

ここは地獄か

戦後の日本各地に点在した売春を目的とする特殊飲食店街(=赤線地帯)を映し出した作品。

「ようこそ女の世界へ」といった感じで、したたかに、力強く赤線で生きる女性の物語が広がっています
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ビルとテッドの地獄旅行(1991年製作の映画)

3.6

「第七の封印」の死神と正反対の情けない死神が可愛いしコメディ映画のキャラとして最高

このシリーズは「またアホやってるわ」って感じなんだけど、無条件で元気もらえるから好き

殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.4

監督のポン・ジュノは「誰が犯人か」のミステリーにあまり興味が無いらしい。

「わかるわ〜」となると同時に、ならどう作品を構築するのかについて疑問に思うのですけど、ポン•ジュノはそれをやってのけます。
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

4.6

ポン・ジュノ大好き!

結局のところこの作品は何だったの?と言われたら監督の他作品と比べて明確なものはないと思うのですが、寧ろふんだんに散りばめられた監督のセンスを堪能できる本作は贅沢だし、自分的には
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8 1/2(1963年製作の映画)

4.8

言わずと知れた映画作りで人生を物語る映画

驚いた、ここまで人生讃歌の映画だったとは!

「幸せとは何か?」についての答えを示しつつ、生き方の一つの指標を与えてくれる。

この作品は今後の人生で何回と
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ヤング・アダルト・ニューヨーク(2014年製作の映画)

4.0

「老人」の視点で「若さ」には勝てないと言い切る監督はえらい(?)

歳をとるとプライドがその分ついてきてしまい、頑固になってしまうものでもあると思うのですが、そのプライド、若さへの嫉妬、老いそのものに
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ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

4.6

「スパイダーバース」と「LEGOムービー」の監督であるフィル・ロードとクリストファー・ミラーがプロデュースしている本作。もうどう転んでも駄作になりようがないのですが、観てみた所もれなく大傑作でした(パ>>続きを読む

Saltburn(2023年製作の映画)

3.9

大学生特有の「青春描写」と、バリーコーガン演じるソシオパスが貴族階級を狂わせていく「気持ち悪さ」がなんとも言えない塩梅でせめぎ合っていて気持ち悪さが勝つみたいな映画でした

本作の見所はなんといっても
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トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)

4.7

【∞】ただの冒険活劇としても面白いけど、父のいないアンディの親代わりであるオモチャたち(特にウッディ)との親離れ、子離れの物語として終盤の流れが完璧すぎます

ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

3.0

取り柄のないブスのゲイが女だけのファイトクラブを創設するという物語

脚本の中に二つの流れがあって、主人公の二人が、自分自身とお互いに向き合う「自分探し」としての流れと大筋の「ファイトクラブがみんなを
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キャリー(1976年製作の映画)

4.2

デ・パルマはシーンの緩急の付け方がうますぎて一気に地獄に突き落とされます

虐げられし者が牙を剥く瞬間、もうどうにでもなれという感情の映像化として、これに勝るカタルシスは無いのではと一瞬感じてしまう
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.5

映画が総合芸術だと改めて感じることができる作品

時代を超えた名作って見てる時になんとなくずっとザワつく感覚があるんですよね

ワンシーンワンカットの気持ちよさで展開が早いため97分間を秒に感じつつも
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ホーリー・マウンテン(1973年製作の映画)

4.4

明らかにここでしか摂取できない毒素がある

カルトムービーとして有名な本作ですが、本当の意味での「カルト」ムービーで、ホドロフスキーの展開する宗教の世界観に迷い込めます

ドキュメンタリーでホドロフス
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.2

未完の傑作ホドロフスキーのDUNEのドキュメンタリー

めちゃくちゃに力強い内容でした

結果が全てといわれる世の中に対してその過程にも意味があり、大きな志を持って挑戦することの尊さをホドロフスキー自
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チキンラン ナゲット大作戦(2023年製作の映画)

3.1

前作ほどのアクションとしての気持ちよさは無かったのですが、スパイ映画あるあるがちらほら見受けれて楽しい作品でした。

テーマ的にもまとまりがあって前作の方が好みです

ヴァル・キルマー/映画に⼈⽣を捧げた男(2021年製作の映画)

3.7

やっぱドキュメンタリーは良い。元気をもらえます

ラストでの「人生っておもしろい」の発言はヴァルキルマーが自身の大切にしている映画・芸術に対して誠実に生きているからなんだろう

そもそも人生をビデオカ
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オール・ダート・ロード・テイスト・オブ・ソルト(2023年製作の映画)

3.8

恐ろしく詩的で余白が凄まじい(頑張って起きた)

全ての場所に人間の営みが蓄積されそれは流転していく

バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

3.0

ロードムービー大好きおじさんなのでインドからパキスタンの壮大な景色が見れただけである程度の満足感。

正直あまりに絵空事が過ぎているヌルさは感じた。けど、フィクションで「宗教・戦争をも愛は乗り越える」
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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

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自分以外の人間はどこまで行っても「他者」だし、孤独な生き物ですね

人生はどこまで行っても独りという目を背けようがない現実に対して恐ろしいぐらいに救いがなく描いているドライさ

人生の一部始終を目撃し
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ブギーナイツ(1997年製作の映画)

4.5

「ディックロングはどう生きたか」

ポルノスターとして駆け上がる主人公を描いた本作ですが、作品にバチっとハマる曲選と登場人物の心情を巧みに映すカメラワーク、秀逸な脚本と隙のない傑作です、、

擬似家族
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