eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

eulogist2001

eulogist2001

映画(1610)
ドラマ(64)
アニメ(0)

非常宣言(2020年製作の映画)

4.0

クライムサスペンスとしては出色。ありがちな作品かと思っていたら、かなり意表をつかれる。こんなものだろうという先読みがことごとく外れる。その外れ方が小気味良い。人間の利他的な神がかりのような良い面もあれ>>続きを読む

チョコレートな人々(2022年製作の映画)

4.0

年初にみるに相応しい作品。きちんと目標を定め覚悟をもって事にあたる。そんな気になる。

こうした作品は観る側に意識によって偽善的にみえたり、頭が下がるだけで終わったり、わたしも心を改めて頑張っていこう
>>続きを読む

Untold: パレスの騒乱(2021年製作の映画)

3.6

選手とファンの乱闘。それは立場によって見方は異なる。マスコミ、ファン、選手。結局、ファン重視のコミッショナーによって選手たちが裁かれた。

その後、検察による捜査があったが、マスコミなどの評価は大きく
>>続きを読む

獄友(2018年製作の映画)

3.6

冤罪事件の当事者たち。その交友。個別の冤罪事件のドキュメンタリーを眺めると、彼らに対しては冤罪の被害者という類型で眺めている自分がいた。

こうして冤罪者たちの交友を通してみていると、結局はひとりひと
>>続きを読む

傷だらけの山河(1964年製作の映画)

3.8

なかなかの骨太作品。西武コンツェルンを築いた堤康次郎がモデルなのか?
60年近く前の作品だが、社会性やプロットや演技など充分に見応えがある。

山村聰が当時54歳。今の同世代と比較すると圧倒的に老けて
>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.7

年に数本ぶち当たるどうにも解釈仕切れない作品。

なかなかの意外性。共感半分に微妙な違和感と嫌悪感が半分。

愛の強さと暴走。愛することの大切さと愛から生まれる逸脱。

生きることはある面で両義性を受
>>続きを読む

先祖になる(2012年製作の映画)

3.9

佐藤直志さん、77歳。すばらしい。震災で息子を亡くしながらも一年半後に自ら材木を切り出し、家を建て直す。

頑固一徹でありながら温和で知性を感じる。きこりと農業を生業としながらも夢を持ち、そのために何
>>続きを読む

東京クルド(2021年製作の映画)

3.8

日本映画専門チャンネル
日本の入管や難民政策の酷さがわかる。恣意的であり、人権無視、血縁主義の国籍の堅持、外国人労働者の原則排除など、どれも目を覆うばかり。

それは入管の問題というより、日本の権力者
>>続きを読む

ANPO(2010年製作の映画)

3.8

安保を経験したアーティストがその当時や状況をどう表現したのか?
錚々たるメンバー揃い。とはいえ民主主義の形骸化や右派左派問わず権力にとっての国民とはなんなのかが透けてみえる。

SAYAMA みえない手錠をはずすまで(2013年製作の映画)

3.6

夫婦関係が絶妙。表面的な諍いやからかいなどのやりとりはともあれ二人の信頼関係の強さが滲み出てる。

狭山事件は典型的な冤罪パターン。警察や検察、そして裁判官などの権力者の揺るぎないメンツ護持。容疑者選
>>続きを読む

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

3.9

この女性弁護士がつかなかったら、いったいどうなっていたのか?
アメリカは民主主義国家の雄のように語られるが、過去に何度も権力の暴走があった。「正義」の顔をした悪魔であったことも多い。

権力者は右か左
>>続きを読む

ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.8

なかなか粋な作品。エダワート・ノートンとダニエル・クレイグがすばらしい。

ひとくず(2019年製作の映画)

3.8

昭和エレジー。ひとことで言えばその記憶と郷愁、そして人情に溢れてる。

ただしっかりとカネマサを描くことで思わぬ感涙に襲われる。

ラストシーンは想定の上をいってた。泣ける。

KCIA 南山の部長たち(2018年製作の映画)

3.8

なかなかの重厚さ。18年も続いた軍事独裁を支えた中央情報部の部長がその大統領朴正煕を暗殺するという前代未聞の事件。

ご多聞に漏れず権力者の腐敗と被害妄想からくる独善的支配への移行。取り巻きの劣化に伴
>>続きを読む

工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ラストシーン。号泣。

権力が国家や国民のためと偽り、自分の保身や利己的な野心を燃やす例はひきを切らない。どうして権力を持てば持つほど糞になっていくのか。こうしたテーマの研究もおもしろそうだ。

ただ悪より救いたまえ(2019年製作の映画)

3.9

Blu-ray
たまに韓国映画の濃ゆいのが欲しくなる。本作はそんな時にピッタリ。

お腹いっぱいなところにさらに追加が来て終わったなと思ってからダメ押し。ぐったりするけど癖になる。

結局は悪同士の闘
>>続きを読む

The Workers Cup ーW杯の裏側ー(2017年製作の映画)

3.4

約200$程度/1ヶ月を建設現場で週7日平均12時間も働かされる。現代の強制労働にも近い過酷な環境。死者も多数出ている。まさに金持ちのための労働。石油資源で稼ぐ国の実力も計り知れない。

そんな中でそ
>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.0

3DHFRで観た。映像は驚くほどのすばらしさ。さすがのキャメロン監督。スケール感、精細感、躍動感とも文句なし。けれど間違えて吹替版チケットを購入してた。自分のイメージと声が合わずにずーっと違和感を感じ>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

3.6

三宅唱監督。本作で鑑賞6本目。夕暮れ時や夜半などの暗めの時間帯が主役ではないか。そこにひとが思いを募らせて時を過ごす。また宵やみのなかでしか、浮かび上がらない色彩や気持ちもあるだろう。時として地と文(>>続きを読む

スパイネーション/自白(2016年製作の映画)

3.8

韓国の公安部隊でもあり、北側の脅威と闘いながらも実は国家にも強い影響力を持ち続けている国家情報院。

本作を観るとスパイのねつ造のやり口は「闇」というより、クズの中のクズ。なん度も無罪判決を受けながら
>>続きを読む

縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

本作はどう感じるのがフェアなのだろう。

冒頭、ユダヤ人狩りに勤しむナチの兵隊のシーンに続き、収容所のおそらく所長に就任した中佐の祝賀会の模様が描かれる。まさに権力者として虐殺する側とユダヤ人として理
>>続きを読む

悪人伝(2018年製作の映画)

3.8

エグいシーンもなかなかだけれど、シナリオが秀逸。奇妙な設定ながらも飽きさせない。謎解きも単なる答え合わせに終わらず、キッチリと「落とし前」をつけてる。

マ・ドンソクもキム・ムヨルも絶妙。二人とも住む
>>続きを読む

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

3.6

朝鮮戦争からの混乱を生き抜いた少年期からの一代記。戦争は多くの人々を巻き込み、時に理不尽に関係性を断ち切る。

それでもなお強く逞しく生き抜いた人たちの延長にわれわれがいる。戦争が遠くになり、辛い記憶
>>続きを読む

光復(2021年製作の映画)

4.1

この作品は常識的な感覚で観てはいけない。善意の側にいるケイコさんと横山さんが周りにいる「ふつう」の人々から、これでもかというばかりに「蹂躙」されてしまう。目を背けたくなるようなシーンが何度も何度も放り>>続きを読む

ミスター・ランズベルギス(2021年製作の映画)

3.9

4時間を超える長尺のドキュメンタリー。リトアニアの独立運動を指導したランズベルギスが90年前後の当時を振り返って、彼の素朴な別荘の前から笑顔を時に交えながら大きな椅子に座りながらゆったりと語る。時間と>>続きを読む

ドルフィンキングに何が起きたのか?(2022年製作の映画)

3.6

嫌な気分になる作品。それは自分のなかにもある「善意」だと考えていたことが一気に反転する瞬間のいいしれぬ気分に近い。

ドルフィン・トレーナーとしての彼はイルカを愛しているし、トレーナーという仕事にも強
>>続きを読む

ビルマVJ 消された革命(2008年製作の映画)

3.6

ミャンマーの軍政下での民主化デモをハンディカメラで撮影したドキュメンタリー。編集がなかなか秀逸で臨場感に溢れている。

それにしても権力者の中でも独裁軍事国家はどうにも残酷過ぎる。兵隊も大変だし、国民
>>続きを読む

夢の音(2018年製作の映画)

3.4

巷の若者たち。たくさんのバンド仲間たちの中で最大公約数的なものがたり。そんな感じがした。

素人臭がぷんぷんするんだけれど、夢に向かっては一途。そうした野心やピュアな想いの結晶が一握りの成功者なんだろ
>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.6

さすが庵野秀明のシナリオ。高い視点と人類への信頼がある。

ウルトラマンズがレヴィ=ストロースの野生の思考を読んでいたのは納得してかつ笑えた。

敵味方という二項対立を越えて、連続性や持続性、より高い
>>続きを読む

あのこと(2021年製作の映画)

3.9

なかなかのエグさ。じわりとくる切迫感、焦り、行き止まり意識。

痛みの感覚もほんとうに皮膚感覚で伝わり、一緒に声が出そうになる。しかも他者への暴力でもなく、まして他者からの暴力でもなく、自らが自らに対
>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

3.8

自然豊かな湿地帯の美しさ。その中で親に捨てられて孤独を抱えながら自然と共生するように生きてきたカイア。

サスペンスタッチで法廷と過去の出来事がオーバーラップしながら、少しずつ真実が明らかになっていく
>>続きを読む

ルンタ(2015年製作の映画)

3.9

池谷監督の解説も必見。本編では語れないことや裏話がじっくりと聞ける。

それにしてもこの時代において人権蹂躙ともいえる拷問による殺人があり、焼身抗議が後を立たない中国のチベット弾圧の現状は胸が傷む。
>>続きを読む

べー。(2016年製作の映画)

3.2

なかなかのエグさ。最後まで意味不明なところが良かった。

ベー。がなかなか効いてる、

ぱん。(2017年製作の映画)

3.2

短い作品ながらもなんとも言えない類の勢いと少しスラップスティックなユーモアは感じた。ただ荒唐無稽さに必然は感じなかったかな。

この夏の先には(2021年製作の映画)

3.4

中国の今の憧れの青春恋愛作品はこうなるのかな。想像を超えてトレンディな感じ。役者が日本人でもおおよそは通じる。

大学受験を取り巻く状況や親の子どもへの価値観などは微妙な差が見える。