KKMXさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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ストーカー(1979年製作の映画)

4.2

 突如出現した願いが叶う場所『ゾーン』の核心に3人の男が迫って行くというミステリー・アクションエンタメ大作…な訳はなく、ソビエト生まれのチェインソーことタルコフスキーの毎度お馴染み難解ガーエー。

 
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家族の肖像(1974年製作の映画)

2.5

 格調高いけどごちゃごちゃしたガーエーでした。孤独の問題・世代の問題・政治問題等いろいろと詰め込まれているので、密室劇でありながらボリューム満点でした。

 家族の肖像画ばかり買い集めている孤独を好む
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夏の嵐(1954年製作の映画)

4.2

 ヴィスコンティの作品を初鑑賞。長尺ばっかの印象を持っていて避けていたのですが、2時間なので観てみました。いや〜、かなり面白かった!

 ヴェネツィアの伯爵夫人と当時ヴェネツィアを支配していたオースト
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パリのランデブー(1994年製作の映画)

4.0

 『ほとりの朔子』を観たらフランス落語を観たくなり鑑賞。ロメールってホント落語だわ〜。

♪パリのランデブー、楽しいとは限らない〜♪

 と、いきなりアコーディオンの出拍子でカマしてくる本作。確かにロ
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歓待(2010年製作の映画)

4.2

深田作品でざくろ屋敷を観たかったのですが、配信終了してたので本作を鑑賞。なかなかヤバいガーエーでした!そもそも、ジャケットもかなりサイケでヤバい。古舘寛治の顔がヤバい!


ナツキは夫・夫の妹・夫の連
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ほとりの朔子(2013年製作の映画)

4.0

フランス落語家ロメール師匠の『海辺のポーリーヌ』を明らかに下敷きにしたガーエー。

しかし!バカ人間大行進のバカ大爆発コメディだったポーリーヌとは違い、本作はかなりしっとりと叙情的な作品で、ジャパニー
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太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.0

 主演が戦後最大のポップアイコン・沢田研二で、主人公が原爆を作り上げてストーンズ初来日を要求するというストーリー、そして横尾忠則のポスター(エンケンの『東京ワッショイ』を連想)という、これはどう考えて>>続きを読む

猫の恩返し(2002年製作の映画)

4.0

 耳すまのスピンオフ的立ち位置の本作は、ジブリが誇る偉大なる箸休めムービーです。


 本作の魅力は尺が短くて軽いこと。一応、少女が異界体験を経て成長する古典的なジュブナイル物語ですが、深みを意図的に
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空に住む(2020年製作の映画)

4.1

 初青山真治。原作付きだから純粋に彼のワールドではないかもしれませんが、なかなか良かったです。

 嘘を生きていたり、明確な何かを掴めずに生きていたりする空に住む人たちが、地に足をつけて責任を引き受け
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.4

 いや〜濃ゆいガーエーでした!

 女性が生きづらい社会構造や社会で共有されている価値観が、脈々と続いている歴史とともにこれでもか!と描かれるので、「ぬぉ〜」と心の中で唸りながら鑑賞しました。


 
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魔術師(1958年製作の映画)

3.6

 2018年夏のベルイマン生誕100周年映画祭にて鑑賞予定だった本作。しかし、劇場の映写機の故障により観ることができなかった1本です。
 ちょうどアップリンククラウドの見放題で観ることができたので、や
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モンパルナスの灯(1958年製作の映画)

3.3

夭折した画家モディリアーニの晩年を描いた作品。ヒロインが世紀の美女アヌーク・エーメなので鑑賞しました。アヌーク美しかった!

フィルマ仲間のラブ兄さんは常々『70点ガールが好き』と仰ってます。すげー納
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紅の豚(1992年製作の映画)

4.6

 昔観たときは「ポルコかっこいい!」で終わってましたが、改めて観ると、ポルコのダンディさの奥にある繊細な内面を感じることができました。そしてニヒリズムを否定する、熱い内容だったと感じています。


 
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耳をすませば(1995年製作の映画)

4.8

 初恋のキラキラ感が印象深い本作。しかし、改めて観ると、思春期の少女が自分は何者なのか、この世で生きる意味とは何かを問うて、アイデンティティ獲得の第一歩を踏み出す正統派の成長物語でした。


 やっぱ
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(1974年製作の映画)

4.0

 ソビエト生まれのチェインソー、タルコフスキーのセルフセラピーガーエー。

 鏡というくらいなので、本作では対となるモチーフが描かれています。自分も父親と同じく離別する運命を辿るとか、母親役と妻役が一
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END OF THE CENTURY エンド・オブ・ザ・センチュリー(2004年製作の映画)

4.0

 高校時代に出会って以来、ずっと愛聴し続けているラモーンズ。もはや自分の一部と言っても過言ではないです。なので本作はDVD鑑賞済ですが、劇場では初でした。
 うーむ…わかってはいたが、やはりシンドいド
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ジョーン・ジェット/バッド・レピュテーション(2018年製作の映画)

4.1

 ア〜イラ〜ヴロックロ〜ル🎸

 セイジさんも尊敬するロックンロールのゴッドマザー・ジョーン・ジェットのドキュメンタリー。とにかく、ジョーンがブレなく良心に真っ直ぐな人で、カッコ良すぎましたね!シビれ
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悪魔とダニエル・ジョンストン(2005年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

 2020年9月にシネマート新宿で『アンダードックス』というパンク〜オルタナ系の映画祭が開催されておりました。
 本作はその時に上映された、現代のアウトサイダーアーティストの最高峰、ダニエル・ジョンス
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眠る虫(2019年製作の映画)

4.3

 実に面白かった!理解は及ばないものの、心の深いところに届く作品で、自分のツボにバッチリとハマりました。なんとなくつげ義春を連想。

 主人公カナコはバスでたまたま乗り合わせた老婆の鼻歌が気になり、彼
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

4.0

 産業の衰退でドン詰まりの街に生まれ育った貧困層のスケートボードでつながった3人の若者たちのドキュメンタリー。
 監督はそのうちのひとりである、アジア系のビン。ビンは同じスケーター仲間のザック(白人)
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真夏の夜のジャズ 4K(1959年製作の映画)

4.0

 夏が終わる前、ムシ暑い夜に鑑賞。ジャズはあまりわかりませんが、観ていてとにかく気持ちよかったです。
 60年以上も前の夏フェスというのもアツいです。4Kリマスターで画質もバッチリ。


 仕事がハネ
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

2.5

 ミッドナインティーズ!90年代に青春期を送った俺にとってなんともノスタルジックな響き!そしてスケーターの話となれば、連想するのはメロコア!
 このガーエーは間違いなく、エピタフ系が雨あられと流れるメ
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ふたつのシルエット(2020年製作の映画)

4.7

 めちゃくちゃ良かった!もうね、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ良い!
 わずか37分の短編ですが素晴らしいです。37分で終わって欲しくない、その感じも良かった。

 竹馬監督は前作『蜃気楼の舟』から完全に
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夜、逃げる(2016年製作の映画)

3.6

ミニシアターエイドの特典である、サンクスシアターをついに観始めました。一発目は割と短く評価も良さげな本作を選びました。
感想はまおも。いい作品だとは思いましたがハマらなかった。

29歳のカナはマン喫
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

4.3

90’sシャレオツガーエーの代表みたいな本作ですが、単なるオシャレ映画ではなく、切なく熱い作品でした。

賭博でミスり、その落とし前をつけるために5年間ムショに入ったビリー。収監中、ビリーは両親に国の
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アンナ(1966年製作の映画)

3.2

 アンナ・カリーナのドキュメンタリーを観たとき、彼女がミュージカルをとても愛していることを知りました。孤独な少女アンナにとって、ミュージカルは心の支えだったようです。
 なので、本作は彼女にとって思い
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囚われの美女(1983年製作の映画)

1.8

初アラン・ロブ=グリエ。いや〜合わねぇなぁ!ヨタ話にしか思えなかった。

一応幻想的なサスペンス?ミステリー?そんな感じのガーエー。難解なんだけどナンセンスなタイプの作品です。
個人的にはタルコフスキ
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木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

3.5

フランス落語家・ロメール師匠の政治風刺ガーエー。

田舎町の市長が、多目的のハコモノを建てようとするも、反対派の校長が文句を言って、校長の賢い娘っ子10歳が市長に正論をブチかますというストーリー。
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レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.4

 久々にロメールガーエー a.k.a. フランス落語を鑑賞。今回は4話の短編集でした。

 本作は2人の女子が主人公であり、なんというか日常系アニメに通じるノリがあり、ロメールの日本的ポップセンスに戦
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8 1/2(1963年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 アートだけでなく人生全般に行き詰ったフェリーニ自身の死と再生を描いたガーエー。

 本作は『8 1/2』というタイトルですが、現代的にタイトル付け直せば『フェリーニ2.0』ってとこです。フェリーニが
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ボイス・オブ・ムーン(1990年製作の映画)

3.5

 本作はフェリーニの遺作とのこと。抽象度の高いガーエーでした。
 ストーリーらいしストーリーはなく、断片的なシーンの積み重ねと、対話になっていないこれまた断片的な会話で構成されているため、とにかく観づ
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甘い生活(1959年製作の映画)

4.4

 いや〜、かなりインパクトのあるガーエーでした。これリアルタイムで観た人にとってはとんでもないボムだったのでは、と思います。
 3時間の長尺で『無』を観せられるわけですからね。タイトルも皮肉だし、破壊
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魂のジュリエッタ(1964年製作の映画)

3.9

 本作はちょいとワケありっぽいガーエー。

 主人公ジュリエッタを演じるのは、フェリーニのワイフであるジュリエッタ・マシーナです。役名と実名が一緒なのは、本作がかなり現実とリンクしていることを連想させ
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(1954年製作の映画)

4.3

 フェリーニと言えば本作、というくらいの代名詞的作品。個人的には感動作ではなかったのですが、鑑賞後にモヤモヤと考えさせられる、なかなかに心の奥底に突き刺さるガーエーでした。

 旅芸人のザンパノは死ん
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青春群像(1953年製作の映画)

4.5

 本作は名作『道』の前に撮られた作品。1950年代のイタリアにおける、ニートを描いた作品です。登場人物の仲良し5人組が揃いも揃ってほぼニート(1人だけできちゃった婚でチロっと働くけどすぐ辞める)という>>続きを読む

フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

4.3

 むぅ、しんどいガーエーでした。完成度は高く名作と言っても過言ではないかなと思いますが、いかんせん重苦しいですねぇ。実話ベースってのもキツかった。

 レスリング金メダリストのマークは、五輪後は困窮し
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