KKMXさんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

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フォックスキャッチャー(2014年製作の映画)

4.3

 むぅ、しんどいガーエーでした。完成度は高く名作と言っても過言ではないかなと思いますが、いかんせん重苦しいですねぇ。実話ベースってのもキツかった。

 レスリング金メダリストのマークは、五輪後は困窮し
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落穂拾い(2000年製作の映画)

3.5

ヴァルダのドキュメンタリー。まおも。いろんな人がいるなぁというテケトーな感想と相成りました。
印象に残る点を箇条書きにします。


・廃棄されたジャガイモを拾っているホームレスの中に、顔がタルコフスキ
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顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)

3.8

アニエス・ヴァルダと写真家JRがタッグを組んで、フランスの田舎を回ってそこに住む人たちの顔写真を撮るというドキュメンタリー。撮った写真は超拡大して建物に貼ったりします。

顔写真のアート活動も面白かっ
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カセットテープ・ダイアリーズ(2019年製作の映画)

4.5

 ボスことブルース・スプリングスティーンの楽曲がモチーフとなった作品とのことで鑑賞。
 歌詞やアティテュードから伝わるボスの魂が本作の主人公を変容させ成長させていくストーリーと、ボスの歌に鼓舞されて前
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トラスト・ミー(1990年製作の映画)

4.8

 美しいガーエー!そして素晴らしき傑作!

 前作『ジ・アンビリーバブル・トゥルース』の煌びやかで楽天的な80’sポップ感から1年で閉塞的でモノクロなグランジ・オルタナ感に一転した本作。
 主人公マリ
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シンプルメン(1992年製作の映画)

3.1

 『ジ・アンビリーバブル・トゥルース』と続けて鑑賞。本作はあんまし刺さりませんでした。

ギャングで人を愛せない兄と普通の学生の弟が、アナーキストでテロリストの父親に会いに行く話。
一応、兄の変容
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アンビリーバブル・トゥルース(1989年製作の映画)

4.2

 初ハル・ハートリー。なんともキュートでオシャレなガーエーでした。元オリーブ少女は絶対好きになるヤツですね。

 単にオシャレなだけではなく、かなり濃密な思春期映画だったので観応えありました。正直、細
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沈黙(1962年製作の映画)

4.1

 赦せないことが多すぎる男・ベルイマンによる『神の沈黙3部作』のラスト作。

 かなり抽象的で研ぎ澄まされたガーエーなんですが、怒りと恨みと後悔と苛立ちが渦巻く、神不在の内容でした。正直ゲンナリします
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鏡の中にある如く(1961年製作の映画)

4.6

 2018年夏のベルイマン映画祭ではあえてスルーした作品。本作は『神の沈黙3部作』と呼ばれる作品群の1作目であり、いかにも難解な雰囲気があったので、当時はソソられなかったのです。
 しかし、最近は当時
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.5

 評判通りの名作でした。近年のハリウッド文藝エンタメ作品としては、『スリー・ビルボード』に匹敵する傑作だと感じました。

 本作は女性の生き方の多様性の肯定や多様性を獲得するための闘いがテーマになって
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その手に触れるまで(2019年製作の映画)

4.6

 自分とは遺伝子レベルでシンクロしているとしか思えないダルデンヌ兄弟の最新作。相変わらず自分の魂にフィットしすぎる名作でした。

 13歳のゲーム好きイスラム系移民少年のアメッドはイスラム原理主義者の
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37セカンズ(2019年製作の映画)

4.5

 評判通りの愛おしくなるような名作で、とても観応えがありました。

 脳性まひで障がいを抱えている主人公ユマが母親からの自立を目指す闘いの物語であり、家族と向かい合う物語であり、障がいにまつわる物語で
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ホドロフスキーのDUNE(2013年製作の映画)

4.0

 サイコマジックを観たので、ついでに鑑賞。何度か観ているため新鮮さはないかな〜と思っていましたが、面白いものは何度観ても面白いモノでありました。

 師匠がSF大作『Dune』を作ろうとして失敗し、そ
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ホドロフスキーのサイコマジック(2019年製作の映画)

4.0

 ホドロフスキーを師と仰ぐ身としては本作マストなのですが、意外と足が向かなかった。正直ドキュメンタリーをわざわざ観なくても、あらかたサイコマジックの本質は『エンドレス・ポエトリー』『リアリティのダンス>>続きを読む

アンナ・カリーナ 君はおぼえているかい(2017年製作の映画)

4.0

 短いながらもなかなか観応えのあるドキュメンタリーでした。

 アンナ・カリーナの夫が撮った作品であり、アンナへの愛が溢れていました。特に後半は完全にラブレター的な展開になるので、観ていて心がほっこり
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凱里ブルース(2015年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

 『チャイナの若きタルちゃん』こと突如現れた若き天才ビー・ガン監督の長編デビュー作品。
 荒削りながらも、個人的には『ロングデイズ〜』を越える傑作だと思いました。改めて、ビー・ガンは間違いなく大天才で
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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ(2018年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

 天才現る!

 これはすごいです!とんでもないスケールのインナートリップ・サイコマジックガーエーでありました!傑作。

 本作は前半と後半に分かれ、後半は60分ノンストップ・ワンカットの映像です。こ
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3-4x10月(1990年製作の映画)

4.0

 先日、久しぶりに劇場鑑賞しました。やはり再開1発目は聖地・北千住ブルースタジオと決めておりまして、さっそく足を伸ばしました。

 2020年6月現在、まだ劇場に客足はあまり戻っていないとの噂を耳にし
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ドゥ・ザ・ライト・シング(1989年製作の映画)

4.5

 ちょうどタイムリーだと思い鑑賞。差別というよりも、断絶と憎しみが描かれた作品でした。


 とにかく登場する人たちや所属するコミュニティ同士に断絶があり、相互理解しようとする態度が絶無でした。一見、
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真珠のボタン(2015年製作の映画)

4.1

『光のノスタルジア』の続編というか姉妹作品。前作は天文でしたが、今回は海や水です。アプローチはほぼ一緒ですが、個人的には本作の方が肌に合い、明らかに好きです。理由は、パタゴニアの自然が美しかったからで>>続きを読む

光のノスタルジア(2010年製作の映画)

3.8

チリの現代史と天文学をミクスチャーしたドキュメンタリー。正直、星とか興味がないためイマイチ両者のリンクがつかめなかったけど、充実した内容ではありました。

世界最大の天体望遠鏡のあるアタカマ砂漠。ここ
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天使の入江(1963年製作の映画)

2.7

つまらないガーエーでした。俺はドゥミとの相性悪いっすね。


父親の敷いたレールを歩んでそのまま社会人になっちゃった良い子ちゃん男子・ジャンは博打に目覚めて勘当同然に家を飛び出します。そして、ニースの
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ローラ(1961年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

 アニエス・ヴァルダの夫であるジャック・ドゥミのデビュー作。とてもリリカルで素敵な作品でした。しかし、今ひとつ肌に合わなかった。


 7年間初恋の相手を待ち続ける美しきシングルマザー・ローラを軸に、
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女と男のいる舗道(1962年製作の映画)

4.6

 本作に邦題を付つけ直すなら『無情の世界』、英題をつけるなら “You Can’t Always Get What You Want” ってとこですかね。

 女優志望のナナがなす術なく娼婦に落ちてい
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女は女である(1961年製作の映画)

4.4

 ゴダール兄さんによる、俺のナオン可愛いだろガーエー。

 兄さんの主張は鬱陶しいのですが、兄さんの彼女が出鱈目に可愛いから始末に追えません。なので、「いやいや兄さん、アンナさんめっちゃ可愛いです」く
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幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)

4.0

 ギャ〜!噂通りのド畜生ガーエー!こりゃヒデェ!(よい意味で)

 流れとは関係なく見ると一見幸福なラストですが、流れを追って観るとこれほどおぞましいオチはないです。マジか!と戦慄するレベル。これほど
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5時から7時までのクレオ(1961年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

『死は生の対極としてではなく、その一部として存在している』
(村上春樹:『蛍』より)


 初のアニエス・ヴァルダ。ド畜生ガーエーと名高い『幸福』を観ようと思いましたが、負のオーラにビビり、ちょっと1
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飛行士の妻(1980年製作の映画)

3.2

 セーヌ川談志師匠のフランス落語『喜劇と教訓劇』第1話。今回の格言は「人は何かを考えずにはいられない」。確かにね〜。俺なんて寝ても覚めても何か考えているもんな。

 本作、個人的には合わないガーエーで
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

4.0

本作は『オズの魔法使い』で有名なジュディ・ガーランドの最晩年、再起を賭けたロンドン公演を描いたガーエーです。

俺は無教養でオズも観たことないため、ジュディ・ガーランドについてはかつてwikiに『性生
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ストーンズ オレ!オレ!オレ! ア・トリップ・アクロス・ラテン・アメリカ(2016年製作の映画)

3.7

 ストーンズの南米ツアー〜初めてのキューバでのフリーライブのドキュメンタリー。
 ライブ作品ではないし、ドキュメンタリーとしてもやや退屈でしたが、南米のファンの様子やキューバのフリーライブの熱気を感じ
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ソウル・パワー(2008年製作の映画)

4.0

 74年のボクシング世界ヘビー級タイトルマッチであるアリvsフォアマンと同時開催を目論んだイベント『ザイール74’』のドキュメンタリー。タイトルマッチは順延してしまい、フェスは興行的に失敗したため、長>>続きを読む

デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年製作の映画)

4.0

 キ印師匠ことリンチ先生のドキュメンタリー。一見普通っぽい内容でしたが、リンチの特異性がビンビンに伝わる実にヤバいガーエーでした。自分が感じた3つの視点から感想を述べたいと思います。あと、画家リンチが>>続きを読む

わたしはロランス(2012年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

 長尺で好みではなかったですが、古典の風格漂う傑作だと思いました。おそらく後世にはグザヴィエ・ドランの代表作として語り継がれる作品でしょう。


 ロランスとフレッドはごく普通のカップル。しかし、ある
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トム・アット・ザ・ファーム(2013年製作の映画)

4.1

若き天才監督・ドランのガーエー。

一見BL寸止めSMポルノというか、女子向けエロマンガみたいなガーエーでしたが、それだけでは語れない悲しみも伝わるなかなかの逸品でした。


主人公トムはシャレオツな
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だってしょうがないじゃない(2019年製作の映画)

4.4

『タレンタイム』を再度観よう仮設の映画館にアクセスしたところ、観逃していたドキュメンタリーを発見。せっかくなので鑑賞しました。

内容はADHDを持っている監督が、従兄弟で発達障がいのまことさんの3年
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美しき結婚(1981年製作の映画)

4.3

 フランス落語ことロメールの『喜劇と教訓劇』第2作目。本作の訓戒は『夢中にふけらない人があろうか、空想を抱かない人があろうか』。

 主人公・サビーヌは美術史専攻の大学院生です。ハゲ親父と不倫関係にあ
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