つかれぐまさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

つかれぐま

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映画(700)
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アンカット・ダイヤモンド(2019年製作の映画)

4.0

= NETFLIX =

本作が放つのは、映画的快楽とは真逆のストレス。だがこのブツは純度100%、混じりけのない本物の毒気だ。

1ミリも共感できない金の亡者のキャンブル狂が、ひたすら忙しく走り、叫
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オールド・ガード(2020年製作の映画)

-

= NETFLIX =

「タイラーレイク」に続いてまた傭兵モノか・・と思いきや、これアメコミじゃん。まさかの"X-MEN"だった。

シャーリーズセロンのワンマン映画だが、出来は悪くない。ただ何とい
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

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= NETFLIX =

高校生@田舎町の3角関係。
ラブコメの装いで始まる話に、同性愛や人種問題も絡み、最後には哲学的命題にまで行きつく。また見たくなる爽やかな後味。

おバカな脳筋男子ポールが、聡
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mellow(2020年製作の映画)

-

初めての今泉力哉作品。
モテ男・夏目に告白する女性の三者三様を、作品のジャンルを変えていくことで上手く表現していた。

ともさかりえ夫妻の話は、不条理コメディ。私にはここが一番面白く、監督の世界観を体
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

-

= NETFLIX =

見たい劇場新作がしばらくなさそうなので、今日からNETFLIXを再開。まず初めに、先日オリジナル映画としては視聴回数の新記録を作った本作。

クリヘム演じるタイラーのキャラク
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.0

<ジョジョを守る大人たち>

実在したヒトラーユーゲントが舞台の反ナチ映画だが、徹底的に10才の主人公視点で描くことで生まれる「可笑しさ」が見所。そんなコメディ仕様だからこそ出来る反ヘイトメッセージの
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悪人伝(2018年製作の映画)

3.5

7/20@大泉#9

マ・ドンソクが、80年代のスタローンやシュワみたい。まさかアジアからこういうマッチョスターが現れるとは・・。なんて思ってたら、ハリウッドがリメイクするそうで、しかも権利買ったのは
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(500)日のサマー(2009年製作の映画)

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<小悪魔な青い鳥>

小悪魔女子に翻弄されたあげくに振られ、その悔しさをバネに自分の夢へ向けて新たな一歩を踏み出す。こんな使い古されたプロットなのに不思議な面白さ。

まずは時系列シャッフルという構成
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

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<ポンジュノとソンガンホ>

二人の初タッグ作品。ややネタバレ的になるが、本作は「モチーフとなる事件は未解決のまま」と知った上で鑑賞するのがベターかな。

事件が真相に「近づく」普通の刑事モノとは真逆
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WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)

3.0

7/16@としまえん#5

<全て否定される虚脱感>

人が生きていく拠り所=マチズモ、信仰、そして家族・・・それらがことごとく否定され、最後に残ったものは?

冒頭から360度カメラの映像が新鮮だっ
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もらとりあむタマ子(2013年製作の映画)

-

少なくとも・・駄作ではない

陰キャの23才女子(中身は中二病男子)が、実家に出戻り父親と暮らす1年。何も起こらないが愛おしい78分。

台詞の少ない作品だが、名言?が多い。
「ダメだな、日本は」
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透明人間(2019年製作の映画)

4.0

7/10@大泉#3

<The B級魂>

バカっぽい設定、低予算、原点は1933年という古臭さ。地雷臭漂う企画だが、現代の科学を上手く見せて設定に現実感を生み、男性の束縛に苦しむ女性からの視点とい
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メメント(2000年製作の映画)

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<記憶≠記録>

ノーラン得意の時間逆行&信頼できない語り手という二重の難解構造。その唯一無二の魅力に吸い寄せられるように何度も観てしまう。

次に何が起こるか?
それを知ることがエンタメの本質ではな
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千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)

3.0

20/7/6@大泉#4

<キキは娘、千尋は孫>

公開時60歳の宮崎駿が「10才の少女のために(本人談)」作った映画。

まるで暴走するお父さんのアウディのように、冒頭からハイテンポで進む物語は、あ
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.0

7/1@大泉#6

<わたしの物語>

斬新な時系列シャッフルと現代的解釈。黄金期西洋絵画のような構図で19世紀を再現。新旧ハイブリッドが古典をエバーグリーンに。

原作も過去作も、ほぼ何も知らない状
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もののけ姫(1997年製作の映画)

4.0

20/6/29@大泉#4

「ナウシカ」で問いかけた人間と自然の共生ーその語り直し。

絶対の主役ナウシカが作品を支配した「風の谷の・・」とは異なり、本作はアシタカ、サン、そしてエボシと皆主役級の扱い
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天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)

-

活劇の楽しさだけでなく、パズーとシータの成長描写が心に残る名作。

パズーはムクムクと湧く冒険したい衝動を抑えきれない少年らしい成長。シータはパズーよりもちょっとだけ先に大人になっていく少女らしい成長
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風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)

4.5

20/6/26@大泉#2

地球=自浄作用を有する「巨きな生命」として描く。途方もないスケールの叙事詩が問いかける「共生とは?」。

名作旧作がシネコンで観られる(しかも安く)今の状況は、少し不謹慎な
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アントマン&ワスプ(2018年製作の映画)

-

<小さな物語?>

大河の中の一滴「小さな物語」が魅力だった前作。今作もその志を継ぐが、ここまでMCUにどっぷり浸かってきた身には、看過できない点が。

物語の中心は、ピム父娘のジャネット探し。客観的
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ブラックパンサー(2018年製作の映画)

3.5

20/6/22@大泉#3

保守と急進。両信条の発生過程と、その危険性を面白く見せてくれた。そしてアフリカが侵略された歴史、在米黒人の被差別、南北格差の問題。

ポリコレ要素がふんだんで、ドラマの核
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

4.5

17/5/27@スカラ座

愛されたガーディアンズ。そのキャラクターを掘り下げて、ストーリーがどんどん転がっていく楽しいファンムービー。盛り込みすぎ?でもいいじゃないか。「頭じゃなくて心!」byヨンド
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年製作の映画)

5.0

20/6/19@大泉#5

スターロード率いる銀河の守護者(笑)。スペースオペラ=薄汚れた世界という歴史を極彩色で塗り替え、MCUを銀河に広げ、それでも弱者を描く。ジェームスガンの作風に揺ぎ無し。
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ファインディング・ドリー(2016年製作の映画)

-

<2作目の難しさ>

タイトルに偽りなし。
ドリーが家族を探す話のようで、自分自身を見つける旅。

前作で使い捨てられた感のあったドリーの過去。そこを本筋とする本作は、ドリー≒障害者メタファーという重
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ファインディング・ニモ(2003年製作の映画)

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<涼味満点>

魚たちの「トイストーリー」

圧倒的な質と量で描く海と魚。本作はこれが主役。とにかくため息が出る美しさだ。暑い夜は、この映像だけボンヤリ見るのもいい。

とはいえそこはピクサー、ちゃん
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工作 黒金星と呼ばれた男(2018年製作の映画)

4.5

20/6/15@大泉#5

<同志>

権力者の意のままに国家の反目は続く。それでも二人の愛国者が「命を懸けて国を愛する」という共通項でつながる。真の「同志」の友情。

(事実と聞くが)南の工作員と北
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

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<Inside Out:裏返し>

ピクサー作品の主人公はほとんどが人間以外。今回もまた「気持ち」というカタチすらない概念だ。ハードルを過去最高に上げて挑む、正し過ぎる程のその意気や良し。

概念を可
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カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)

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<夢を持つことへの懐疑>

漂う死と生の匂い。
カールじいさんが今際の際に自分と向き合う。

ピクサー10本目の作品だが、人間が主人公なのはこれが2本目。しかも1本目は「ミスターインクレディブル」とい
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ドクター・ストレンジ(2016年製作の映画)

3.0

17.2.11@大泉#8

「アントマン」以降のMCUは、その世界観の拡張を続けている。本作では多元宇宙(マルチユニバース)という新概念が紹介され、「エンドゲーム」では大きな意味を持つことになる。
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ウォーリー(2008年製作の映画)

4.5

2009/01@TOHO府中

ピクサーの最大の魅力。
それはCG技術ではなく、緻密に計算されたストーリーテリング力にこそあると思う。

冒頭からいきなり荒廃した地球だ。これはいつの時代の話なのか?何
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シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年製作の映画)

3.5

20.6.8@大泉#2

「戦争の狂気を止めるのは、正義ではなく正気」大林宣彦監督の遺した言葉を思い出す。正義を貫かんとするヒーローが、一周回って正気を保てなくなる話だ。

「エイジオブウルトロン」の
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アントマン(2015年製作の映画)

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<優しさにほっとする>

こぢんまりとしたアクション、毒気のないホンワカした笑い。MCUらしからぬ低燃費な作品だが、このユルさは結構心地よかった。

登場人物はみな弱い人々だ。
主人公スコットからして
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アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015年製作の映画)

4.0

20/6/5@大泉#1

嬉しいリバイバル上映。初見時@home は好印象のなかった作品だが「え、こんなに面白かったの!」と驚いた。その理由は3つ。

① 映画館だから
情報過多とも言われる作品なだけ
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マイティ・ソー ダーク・ワールド(2013年製作の映画)

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単純なヒーロー、複雑な世界

前作のキャラ勢ぞろい。
世界観を広げて面白くなる!はずだった・・。

一言で言えば、豪放磊落なソーのキャラクターと、複雑な世界観の食い合わせの悪さなのかな。前作はシェイク
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キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー(2014年製作の映画)

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「左から失礼」

ヒーローを創造したアメリカが、ヒーロによってあるべき世界ヘと回帰する。それを願うドラマだが、同時に彼らの時代の終焉も明確にしていく。

監督は本作からMCUに参加するロッソ兄弟。彼ら
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アイアンマン3(2013年製作の映画)

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<真面目過ぎたトニー>

「アイアンマン1」は最高なポップコーンムービーだった。中東ゲリラに囚われるという相当にハードな展開にも関わらず、軽快で楽しい娯楽映画に仕立ててくれた絶妙なバランス。だからどう
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めまい(1958年製作の映画)

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【幻影に囚われた男】

冒頭、高所から落ちそうになる主人公。
これは過去作『裏窓』のラストシーンと同じだ。もちろんこのシーンは、主人公が高所恐怖症となる設定説明であり、本作と『裏窓』との間に関係性はな
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