たまさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

たま

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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

3.0

34歳独身。
大学中退で大した仕事もしていない。
モヤモヤする気持ちは分かる。
もがいているのは、思春期の若者ばかりじゃないのさ。

生理、妊娠、堕胎、堕胎後の症状、産後うつ、尿漏れ…
若さや生の象徴
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.0

「生まれてくれてありがとう」

殺人、売春、借金、そして赤ちゃんの売買…と、この映画の世界は暗い暗い闇の中。
だのに、時折感じる優しさやほのぼのとする瞬間。

借金を抱える男と児童養護施設育ちの青年の
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マイ・ニューヨーク・ダイアリー(2020年製作の映画)

4.0

主人公の回顧録の映画化。
サリンジャーが影の主人公。

ニューヨークで何かを成し遂げたいと、一念発起した若い女性。
1994年頃のニューヨーク。
夢と希望と才能を秘めた若者たちが集まってくる街。そして
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オフィサー・アンド・スパイ(2019年製作の映画)

3.5

「ドレフュス事件」
教科書にも載っている。

1894年フランス。ユダヤ人の陸軍大尉ドレフュスが、ドイツに軍事機密を流したスパイ容疑で終身刑を言い渡される。

ドレフュス事件は歴史の分岐点だったように
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ふたつの部屋、ふたりの暮らし(2019年製作の映画)

3.5

これって性的マイノリティーの人たちが、最も恐れていることかもしれない。

パートナーに不慮の出来事があっても、法的になんの権限もない。
一緒に暮らした年月や、愛情の深さは全く関係ないのだから。
遺産や
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.5

すごく良かった。
だけど、何が?って聞かれても分からない。
とにかく不思議な魅力に惹き付けられる。
多種多様な人達の日常。
ダークでもないけど爽やかでもない。
このモヤモヤ感がたまらない。

めちゃく
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キッチン・ストーリー(2003年製作の映画)

3.5

いかにも北欧映画って感じのシュールさ。
そして登場人物はおじさんばっかり。

1950年代、独身男性の台所での動線を観察するスウェーデンの調査団(これって意味があるのかな?)が国境を越えてノルウェーに
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ナワリヌイ(2022年製作の映画)

4.0

プーチンVSナワリヌイ
共通点は愛国心。

なぜナワリヌイは、危険を犯してまでロシアに戻ろうとするのだろうか?

戻れば捕えられるに決まっている。
彼らはありもしない罪状を用意して、待ち構えているに違
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秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

4.0

セリーヌ・シアマ監督作品らしい、しっとりとした優しい映画。

こんなファンタジーは見たことない。
奇抜さは一切なくとっても自然だ。

ほとんどの場面が、森のざわめきと生活音のみで作られている。日常と切
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帰らない日曜日(2021年製作の映画)

3.5

愛する人の死を糧に生きたジェーン。
そして、そんな日々を回想する。

始まりは1924年。メイドが一斉に休みを取ることが出来る“母の日”の日曜日。
孤児院育ちのジェーンは里帰りする場所もなかった。
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宋家の三姉妹(1997年製作の映画)

3.5

1人は金を愛し、1人は権力を愛し、1人は祖国を愛した。

孔子の子孫の大富豪、国民党最高指導者の蒋介石、革命家の孫文とそれぞれと結婚した宗家の三姉妹。

この三姉妹の話を初めて聞いた時、こんな運命を背
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C.R.A.Z.Y.(2005年製作の映画)

3.5

主人公ザックは、キリストと同じ誕生日。そして何度も瀕死の状態から生還し、特殊能力も持ち合わせている。

1960年代から70年代のフランス語圏のカナダ。
かなり保守的な家庭の5人兄弟の4男。
ザックの
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

4.5

記憶をなくした男。

そこは記憶喪失を引き起こす奇病が蔓延する不思議な世界。
主人公の男は記憶喪失の患者として保護される。

家族からの捜索願いも出ていないため、病院の勧めで治療のための回復プログラム
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ベルイマン島にて(2021年製作の映画)

3.5

映画監督同士のクリスとトニー。
同業種の夫婦って、やりにくいだろうなぁと余計な心配をする。

お互いを、過度にいたわっているようにも見えるのが不自然で、逆にどこかギクシャクしているのを感じられる。
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アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド(2021年製作の映画)

4.0

アンドロイドとの恋愛。

またかという感じだったけど、よくあるアンドロイドものでも恋愛ものでもなく深かった。

ベルリンの博物館で楔形文字の研究をしている学者アルマ。
アラフォーで美人だけど地味で、過
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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

3.5

ほんとに予想外のラストだったわ〜
実話ですからね。

スウェーデンの刑務所で、実際にあった話を映画化したそうです。

売れない俳優が、刑務所の受刑者たちに演技指導をし、舞台で披露するというもの。
そも
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アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

3.5

ルーマニアに行きたいって、絶対に思わない映画。

映し出されるブカレストの街は、雑多で猥雑で殺伐としている。朽ち果てそうな建物、色褪せた看板、尖った人たち。
そこを闊歩する主人公もまた、苛立ちや憤りを
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エルヴィス(2022年製作の映画)

4.0

オースティンに取り憑かれた。

エルビスのことはよく知らない。
だから私にとっては、オースティンがエルビスだと思った。

曲は知っているけど人物像は知らない
今とは違って、映像もあまり残っていない。ド
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GAGARINE/ガガーリン(2020年製作の映画)

4.0

そこはまるで仮想空間。

仏に実際にあった「ガガーリン」と呼ばれた公営住宅。
老朽化とパリオリンピック開催もあり、取り壊しが決まった。

そこに住む孤独で独創的な少年ユーリ。
長年慣れ親しんだ住人達が
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トムボーイ(2011年製作の映画)

4.0

何も起こらない。多くを語らない。
静かに時間が流れる映画。
だけどなんだろうこの感覚。
どこかノスタルジーを感じさせる。

主人公ロールが自分が思うがままに行動をする、ただの日常を描いているだけ。
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パーフェクト・ノーマル・ファミリー(2020年製作の映画)

4.0

エマは悪くないよ。
そりぁ戸惑うよ。
パパが女になるって言うんだから。

まだエマは11才。サッカー好きの活発な女の子。両親と姉カロリーネと、ごくごく平穏に暮らしていたのに。
ある日突然、両親の離婚と
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ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)

4.0

“ガガの七変化”

ハウス・オブ・グッチに入り込む、異端者パトリツィア・レッジャーニ。

初めは若き魅力的な女性。
偶然出会った名家のマウリツィオを健全に誘惑していく。

パトリツィアは社交的で良き妻
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1640日の家族(2021年製作の映画)

4.0

とっても幸せそうな家族。
夏休みのバカンス、何気ない日常、どれもキラキラ光り輝いている。
この世で一番幸せな家族のように見えるけど…

末っ子のシモンは実は里子。
1才半からこの家で、家族として暮らし
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

3.5

アメリカ人は早熟だ!

15才の男子高校生と25才の女性の恋愛。
見る前は、そんなの絶対ありえな〜い(犯罪レベル)と思いきや、なんかストレートな恋愛ものじゃない分、何気ないところでキュンとさせられてし
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潜水艦クルスクの生存者たち(2018年製作の映画)

4.0

アクションにカテゴライズされているこの映画、本来なら見ないタイプの映画だ
けど、マティアス目当てで予備知識ゼロでの鑑賞。

これは2000年に実際に起きたロシアの原子力潜水艦事故の話だったのですね。
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カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

子供って厄介な生き物。
純粋であればあるだけ…
純粋さを失って、不安をごまかし、無難に生きることを学んだ大人にとって。

ホアキン演じる主人公ジョニーは、ラジオジャーナリストと言う聞き慣れない職業。
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母へ捧げる僕たちのアリア(2021年製作の映画)

4.0

4人の兄弟の、母への愛の物語。

その母は昏睡状態。
人物像は分からない。
そして父の存在は無い。殆ど話題にすらならない。すでに亡くなっているのだろうか。そして彼らは移民?イタリア出身?

よく分から
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.0

「ファ〇〇ン イデオロギー」

朝鮮戦争真っ只中。
大国の思惑に翻弄される人たち。

捕虜収容所で対外的イメージアップのため結成された、寄せ集め感満載の“スイングキッズ”

米軍下士官、元タップダンサ
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

4.0

無意味な争い。無意味な死。

そもそも戦争なんて、なんの意味もなさない。ただの権力者のエゴイズムだ。

上層部にしてみれば、何百万人の命が亡くなっても「西部戦線異状なし」なんだろう。

第一次世界大戦
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定められし運命(2012年製作の映画)

3.0

凄く興味深い話
戦争はこんなところまで人々の人生を翻弄させる

それなのにどこかチープなつくり
音楽が大昔のサスペンス映画のようにわざとらしく流れる
取ってつけたようなストーリー展開
違う脚本と撮り方
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ティファニーの贈り物(2022年製作の映画)

3.0

ニューヨークのクリスマスって、なんかワクワクしちゃうよね。
そしてティファニーでプレゼントを買うなんて、もうそれだけでロマンティック。

妻を亡くしたシングルファザーのイーサン。娘のデイジーと共にティ
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ホワイト・ノイズ(2022年製作の映画)

3.0

なかなか賛否両論のある映画のようですが…
私には無理でした(泣)

ノア・バームバック監督の新境地という感じでしょうか…そういう意味では見応え(?)があったけど…

これはコメディ映画なの?パニック映
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アルゼンチン1985 ~歴史を変えた裁判~(2022年製作の映画)

3.5

サクッと見られる現代史もの。

1983年に 民政化したアルゼンチンで、1985年に行われた軍事政権の責任を追求する裁判の話。

軍政による一般市民への拉致、拷問、殺害は、他の映画で何度か見た事があた
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キング・オブ・スタテンアイランド(2020年製作の映画)

3.5

自伝的な映画ということなので、ものすごく大きな事は起こりません。
ちょっと大人になりきれていない…と言うか、大人になりたくない青年の日常を描いています。

7才で消防士の父親を亡くしてから、精神的にも
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ビューティフル・レターズ 綴られた言葉(2011年製作の映画)

3.5

女子高生のもとに、見知らぬ人から手紙が届く。
それは、まるで誰よりも私のことを理解している…と思わせる内容だった。

勉強よりもバンドや彼氏のことで頭がいっぱいのマギー。
シングルマザーで時間にも経済
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ローズメイカー 奇跡のバラ(2020年製作の映画)

4.0

パリのバガテル公園。
世界最高峰のバラ・コンクールが行われている。
これは映画館で見たかった…と思わせる色とりどりの美しい映像。

主人公エヴは、郊外で父から受け継いだ小さなバラ農園「ヴェルネ・バラ園
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