ナガノヤスユ記さんの映画レビュー・感想・評価 - 13ページ目

ナガノヤスユ記

ナガノヤスユ記

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早春(1970年製作の映画)

4.6

明らかに、誰かを求めることとは、与えることでなく奪うこと、なのだ。
キャット・スティーブンスの「言われるがままに働きたくはない〜」から始まり、「今夜僕は死ぬかもしれない〜」まで、鮮やかな色彩をすべて塗
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ゴースト・イン・ザ・シェル(2017年製作の映画)

2.5

『ブレードランナー2049』の後にレンタルして見たけど、もはや化石。

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.2

あまり物忘れなどしない方だけど、先頃の外出中、ふとした拍子ガスコンロの火を消し忘れたのではないかという不安に襲われた。コンロのつまみをひねる自分の手元はありありと思い出されるのだけど、それがいつの記憶>>続きを読む

世界最古の洞窟壁画 忘れられた夢の記憶(2010年製作の映画)

4.4

ほとんどの壁画は1人によって描かれたことまで分かってるらしい。もちろん残ってるものはってことだから、感化された周囲が多少描いてた可能性は否めない。しかし、農耕革命以前の人類に壁画アーティストなんて職業>>続きを読む

キンスキー、我が最愛の敵(1999年製作の映画)

5.0

人類の記憶を追い求めるヘルツォークの極私的追憶映画。今は亡き盟友の姿を鏡にして、ヘルツォーク自身の姿もまた浮かびあがる。
個の力が強くなり、家族や小さなコミュニティの繋がりよりも、個人と社会の契約関係
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問いかける焦土(1992年製作の映画)

4.5

さしずめ人類(と巻き添えを食らったその他多くの生物)滅亡後の地球に生まれし新文明が発見した旧文明崩壊の記録映像。辛くも鎮めた焦土に再び火種を投げ込まずにいられないおっさん達。その様を抗しがたく美しいと>>続きを読む

シュトロツェクの不思議な旅(1977年製作の映画)

4.6

ヘルツォークの親は生粋の不定職者で、ヘルツォーク自身幼少期は居を転々とし、音楽や映画は勿論、水洗トイレさえ知らない極貧生活を味わっていたらしい。

少々鈍いが善良な小市民ブルーノをバラバラに引き裂いた
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GONIN(1995年製作の映画)

3.4

うーん、わかるけど、くどいなあ。
拷問される椎名桔平と、犯される女のロングショットがハイライト。

龍三と七人の子分たち(2015年製作の映画)

-

むむむ、これは…。大部分でインモラルに振り切った結果、歪なバランス、テンポが犠牲に。一回ガス抜きしたかったって感じかな。中尾彬の扱い方。

バトル・ロワイアル(2000年製作の映画)

-

劇場に観に行ったけど、R-15で見せてもらえなかった僕は激昂した。DVD借りて何度も何度も繰り返し見た。僕の青春映画の原点かもしれない。

アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

4.0

山王会は勢力を増したらしいが、かつてのようなヤクザの強さは感じない。企業的な経済倫理と、出世に燃えるリアリストが主導権を握っている。人情味ある古風な若者は報われない。義理を尊ぶ任侠世界の崩壊がそこかし>>続きを読む

そして父になる(2013年製作の映画)

-

これも子どもという圧倒的他者を媒介にした逆照射。まさしく子どもの視点から自分を省みるという行為が、ケイタが撮った写真を通して反復される。子どもを単なる複製くらいにしか見てないくせに、無謀にも親子ものを>>続きを読む

三度目の殺人(2017年製作の映画)

4.2

尖ってますねー是枝監督。
恐ろしく鋭敏な現代法廷劇。
真相を不明瞭にしたオープンエンディングな法廷劇自体は決して新しいものではないけど、ポスト真実の時代の混迷がそのまま画面に焼き付いているというか。
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奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール(2017年製作の映画)

3.4

大根監督が水原希子に惚れこんでることはよくわかった。ただ彼女のカリスマに絶大な信頼を置きすぎてることが仇になってるというか、観客はついていけない人多いんじゃないかな。ウディ・アレン的なラブコメとして、>>続きを読む

ラ・ピラート(1984年製作の映画)

-

性差や年齢差、人物のディテールや社会性の過剰なまでの欠落、意図的な忘却。ここまでキャラクターの記号性を排さないと、愛について語れない、語ってはいけない、という強迫的な神経症。
ロケーションも移動してい
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沈黙の女/ロウフィールド館の惨劇(1995年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ブルジョワ一家の厚顔と軽薄も、プロレタリアートが抱えこむ不義と衝動も、どちらも人間の狂気かもしれない。しかし、セックスを貪りあうばかりのブルジョワジーに対して、貧しい女2人をつなぐささやかな触れ合いの>>続きを読む

ダンケルク(2017年製作の映画)

4.0

登場人物のほとんどはもはや人間じゃなくて、怯えた動物。ついに人間を演出することをやめてしまった決断が、結果ノーランの1番魅力的な側面を引き出してるような気がする。言葉や議論はなく、葛藤らしい葛藤もなく>>続きを読む

主婦マリーがしたこと(1988年製作の映画)

4.3

予告編と豪華キャストで煽るだけ煽って結果サスペンスなんてちっとも描くことのできない日本の某とか某とか、も一度シャブロルから観ろ。
これ以上ない、女性精神の解放。